マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、集団の一員でありたいという欲求はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
アブラハム・マズローの欲求段階説(マズローの法則)において、「集団の一員でありたい」という願望や、友人・家族・恋人などとの親密な関係を築きたいという欲求は、「所属と愛の欲求」に分類されます。これは、生理的欲求、安全の欲求が満たされた後に出現する、社会的欲求の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. これは、生命の危険から逃れ、安定した生活を確保したいという欲求であり、社会的な集団への所属とは異なる段階の欲求です。正しくは:「集団の一員でありたいという欲求」は、所属と愛の欲求に分類されます。安全の欲求は、物理的・精神的な危険からの保護を求めるものです。選びやすい理由:安定した集団に属することで安全が確保されると考えるかもしれませんが、マズローの階層では「安全」と「所属」は別の段階として明確に区別されています。混同注意:生理的欲求(一番下位)と所属と愛の欲求(中位)の間に位置することから、その役割を混同しやすい。
- 2. これは、自己肯定感や他者からの評価、尊敬を求める欲求であり、単に集団に所属したいという欲求とは区別されます。所属と愛の欲求より上位の段階です。正しくは:「集団の一員でありたいという欲求」は、所属と愛の欲求に分類されます。承認の欲求は、集団内で評価されたり、自己を肯定したりする段階の欲求です。選びやすい理由:集団に所属することで承認を得られると考えるかもしれませんが、所属自体が目的である「所属と愛の欲求」とは異なります。承認は所属後の段階で生じる欲求です。混同注意:所属している集団の中での評価や地位向上と混同しやすい。
- 3. これは、個人の潜在能力を最大限に発揮し、自己の成長を追求する欲求であり、マズローの欲求段階説の最上位に位置します。集団への所属とは直接関係ありません。正しくは:「集団の一員でありたいという欲求」は、所属と愛の欲求に分類されます。自己実現の欲求は、人間が到達しうる最も高次の欲求です。選びやすい理由:高次の欲求であるため、集団に貢献することで自己実現につながると考えるかもしれませんが、この欲求は所属を超えた個人の成長が目的です。混同注意:集団内での役割を通じて個人の成長を求めることと混同しやすい。
- 4. 正解。マズローの欲求段階説において、「集団の一員でありたい」という願望や、他者との関係性、愛情、友情を求める欲求は、この「所属と愛の欲求」に分類されます。これは生理的欲求と安全の欲求が満たされた後に生じる、社会的欲求の段階です。
国試ポイント
マズローの欲求段階説における各段階の具体的な内容を正確に理解しているかが問われています。特に、名称と具体的な行動や感情を結びつけて覚えることが重要です。誤答の選択肢は、それぞれ別の段階の欲求であり、意図的に混同しやすいように配置されています。
混同注意
「安全の欲求」と「所属と愛の欲求」は、集団に属することで安心感を得られるため混同しやすいですが、安全の欲求は物理的・精神的な危険からの回避が主眼であり、所属と愛の欲求は他者との関係性や一体感を求める点が異なります。「承認の欲求」は、所属した集団内での評価や地位を求める欲求であり、所属自体を求める欲求とは別段階です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、各欲求段階の定義だけでなく、具体的な事例(例:入院患者の行動、子どもの成長発達段階)と結びつけてどの欲求が満たされているか、あるいは不足しているかを判断する問題が出される可能性があります。また、欠乏欲求(生理的、安全、所属と愛、承認)と成長欲求(自己実現)の違いについても理解しておく必要があります。
関連知識
マズローの欲求段階説は、下位から「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」の5段階で構成されます。下位の欲求が満たされると、次の上位の欲求が出現するとされています。看護の分野では、患者さんの状態をアセスメントし、どの欲求が満たされていないのかを把握する上で重要な理論です。