入院中の高齢者への看護師の対応で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高齢患者の入院は、身体機能や認知機能の低下を招きやすく、退院後の生活に大きな影響を与える可能性があります。そのため、入院早期から退院後の生活を見据えた情報収集を行い、自宅での生活環境や介護状況、利用できる社会資源などを把握することが、適切な退院支援計画の立案と患者のQOL維持のために不可欠です。これは、高齢者看護の重要な視点の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 入院直後の高齢患者さんは、環境の変化や体調不良により不安を感じやすいため、担当する看護師が頻繁に変わると混乱を招き、信頼関係を築きにくくなります。正しくは:入院初期は、可能な限り少数の看護師が継続して関わることで、患者さんの混乱を避け、安心感を提供し、信頼関係を築くことが重要です。選びやすい理由:複数の目で見ることで情報共有が進むと誤解しがちですが、高齢患者の適応能力の低下を考慮する必要があります。混同注意:チームナーシングなどの「複数の看護師」による連携と、患者が直接関わる担当看護師の人数増加を混同しやすいです。
- 2. 高齢患者さんは集中力が持続しにくかったり、疲労しやすかったりするため、一度に多くの情報を聞こうとすると負担が大きくなり、正確な情報が得られない可能性があります。正しくは:情報収集は、患者さんの状態を観察しながら、数回に分けて少量ずつ、休憩を挟みながら行い、負担を最小限に抑えるべきです。選びやすい理由:効率的に情報を集めるのが良いと捉えがちですが、患者のペースに合わせる配慮が重要です。混同注意:情報収集の重要性と、一度に収集する情報量の適切さを混同しやすいです。
- 3. 高齢患者さんは記憶力や理解力が低下している場合があるため、口頭での説明だけでは情報を覚えきれず、理解が不十分になる可能性があります。また、何度も同じ説明をすることで、患者さんだけでなく看護師の負担も増えます。正しくは:口頭での説明に加えて、メモやパンフレット、視覚的なツール(ホワイトボードに今日の予定を書き出すなど)を用いて、繰り返し確認できるような工夫が有効です。選びやすい理由:丁寧な説明は良いことだと考えがちですが、高齢患者の認知機能の変化に対応した説明方法を考慮する必要があります。混同注意:丁寧な説明と、高齢者の認知機能に合わせた情報提供の方法を混同しやすいです。
- 4. 正解。高齢患者は退院後に自宅での生活に戻ることが多く、スムーズな移行には入院中からの準備が不可欠です。退院後の生活環境、介護状況、利用可能な社会資源などを事前に把握することで、適切な退院支援計画を立て、患者さんが安心して地域生活に戻れるようサポートできます。正しくは:この選択肢は適切です。高齢患者の場合、入院が身体機能や認知機能に影響を与えることがあり、退院後の生活への影響が大きいため、早期からの情報収集と多職種連携による退院支援計画が特に重要となります。選びやすい理由:他の選択肢が患者への配慮が不足しているのに対し、この選択肢は患者の将来を見据えた支援であり、看護の専門性を示すため選びやすいです。混同注意:退院支援の重要性と、入院中の個別ケアの重要性を混同しそうになりますが、退院支援は入院中のケアの一部として非常に重要です。
国試ポイント
高齢患者の特性(認知機能、身体機能の変化、環境適応能力の低下など)を理解した上で、個別性に配慮した看護計画を立てられるか、特に退院支援の視点を持っているかを問う問題です。高齢者看護においては、単に入院中のケアだけでなく、退院後の生活を見据えた包括的な支援が求められることが頻出します。
混同注意
高齢患者のケアに関する問題では、患者さんのペースを尊重することと、効率的なケアを混同しやすいです。また、情報提供の方法についても、丁寧さと、患者さんの理解度に応じた工夫の必要性を区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、高齢患者のADL(日常生活動作)低下予防、認知機能維持へのアプローチ、社会資源の活用、多職種連携の重要性などが問われる可能性が高いです。
関連知識
高齢者看護の原則、老年期の生理的・心理的変化、退院支援、地域連携、認知症患者への対応、ICF(国際生活機能分類)の視点。