52歳の女性が上腹部痛と吐血を主訴に受診し輸血を行うこととなった。輸血時の対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
輸血は患者の生命に直結する可能性のある処置であり、間違いがあってはなりません。そのため、クロスマッチ検査の結果や輸血製剤の最終確認は、医師と看護師、または複数名の看護師で行うなど、複数人でのダブルチェック体制を確立することが安全管理の基本です。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤血球製剤は通常、解凍する必要はありません。凍結融解が必要なのは新鮮凍結血漿(FFP)や血小板製剤などであり、その場合も融解温度は製剤の種類によって異なりますが、30~37℃が一般的です。正しくは:赤血球製剤は融解操作を必要とせず、冷蔵保存されているものをそのまま使用します。加温が必要な場合は、輸血用加温器を使用します。選びやすい理由:輸血製剤の一部は融解操作が必要なため、知識が混同されやすいです。混同注意:新鮮凍結血漿(FFP)と赤血球製剤の取り扱いが混同されている可能性があります。
- 2. 血液型検査とクロスマッチ検査は非常に重要な検査であり、患者誤認を防ぐため、採血は別々のタイミングで行うことが推奨されます。特に血液型検査用の検体は、前回の採血と今回の採血で2度確認(二重チェック)を行うのが一般的です。正しくは:血液型検査とクロスマッチ検査用の採血は、それぞれ別のタイミングで、採血者も替えて行い、患者誤認を防ぐための複数回チェック体制を確立します。選びやすい理由:検査効率を考えると同時に行いたくなるかもしれませんが、安全確保が最優先です。混同注意:検査の効率性と安全性の優先順位が混同されている可能性があります。
- 3. 正解。輸血は重大な合併症を引き起こすリスクがあるため、患者の安全を確保するために、輸血前にはクロスマッチ検査の結果や血液製剤の情報(血液型、製剤名、有効期限など)を複数の医療従事者(医師と看護師、あるいは看護師複数名)で確実にダブルチェックすることが必須です。正しくは:この選択肢は正しい記述です。選びやすい理由:確認は当然のこととして見過ごされがちですが、共同での確認が重要です。混同注意:確認の重要性は理解していても、誰と誰が確認するかの具体性が曖昧な場合があります。
- 4. 輸血によるアレルギー反応などの副作用は、輸血開始後比較的早期に現れることが多いため、輸血開始直後から綿密な観察が必要です。特に開始後5分以内は少量でも注意深く観察し、その後も定期的に観察を行います。正しくは:輸血開始直後から、特に最初の数分間は注意深く患者の状態を観察し、その後も定時的にバイタルサインや自覚症状を確認します。選びやすい理由:多くの治療や処置で一定時間後の観察が推奨されるため、混同されやすいですが、輸血は初期の観察が特に重要です。混同注意:輸血開始後の観察タイミングと、アレルギー反応の発現時間の知識が混同されている可能性があります。
国試ポイント
輸血管理における安全確保の基本原則(ダブルチェックの徹底、初期観察の重要性、各製剤の取り扱い方法)を理解しているかが問われています。
混同注意
各選択肢が輸血に関する知識の一部を正しく含んでいるように見えるため、細部の知識が曖昧だと誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。特に採血時の注意点や融解・加温の必要性、観察タイミングなどは混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
輸血前の準備だけでなく、輸血中の管理や輸血後のケアについても、具体的な看護師の役割や判断基準を深く学ぶ必要があります。
関連知識
血液製剤の種類と保存・取り扱い方法、輸血に伴う副作用(アレルギー反応、溶血反応、GVHDなど)とその症状、輸血時の患者観察項目と観察頻度、輸血後の管理。