Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージIII、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。 外来看護師がAさんと夫に説明する副作用〈有害事象〉の内容で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
AさんはParkinson〈パーキンソン〉病で、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回から4回に増量しました。レボドパを長期に内服したり増量したりすると、ジスキネジア(自分の意思と関係なく手足や口などが動く不随意運動)が出現しやすくなります。したがって、増量にあたって説明する副作用〈有害事象〉として正しいのは不随意運動です(公式正答4)。
選択肢ごとの解説
- 1. 低血糖はインスリンや経口血糖降下薬など糖尿病治療薬の副作用であり、レボドパ〈L-dopa〉の代表的な副作用ではありません。正しくは:レボドパの代表的な副作用は、ジスキネジア(不随意運動)、悪心・嘔吐、起立性低血圧、幻覚などです。選びやすい理由:薬の副作用としてよく知られているため選んでしまいがちです。混同注意:糖尿病治療薬の副作用との混同。
- 2. レボドパ〈L-dopa〉では、むしろ悪心・嘔吐や食欲不振などの消化器症状が起こりやすく、体重増加は代表的な副作用ではありません。正しくは:レボドパの代表的な副作用は、ジスキネジア(不随意運動)、悪心・嘔吐、起立性低血圧、幻覚などです。選びやすい理由:抗精神病薬や副腎皮質ステロイド薬の副作用として知られているため混同しやすいです。混同注意:抗精神病薬・副腎皮質ステロイド薬の副作用との混同。
- 3. 呼吸器症状はレボドパ〈L-dopa〉の代表的な副作用ではありません。正しくは:レボドパの代表的な副作用は、ジスキネジア(不随意運動)、悪心・嘔吐、起立性低血圧、幻覚などです。
- 4. 正解。レボドパ〈L-dopa〉の長期内服や増量により、ジスキネジア(手足や口などが自分の意思と関係なく動く不随意運動)が出現しやすくなります。増量したAさんと夫に説明すべき副作用です。
国試ポイント
Parkinson〈パーキンソン〉病の治療薬レボドパ〈L-dopa〉の代表的な副作用〈有害事象〉(ジスキネジア、悪心・嘔吐、起立性低血圧、幻覚など)を理解しているかが問われています。
混同注意
レボドパの副作用には悪心・嘔吐や食欲不振などの消化器症状、起立性低血圧、幻覚もあります。低血糖や体重増加、呼吸器症状はレボドパの代表的な副作用ではありません。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、薬物治療において「患者の生命予後やQOLに重大な影響を与える可能性のある副作用」「不可逆的になるリスクのある副作用」「早期発見が特に重要な副作用」を優先して選択する視点を持つと良いでしょう。
関連知識
錐体外路症状の種類(アカシジア、急性ジストニア、パーキンソニズム、遅発性ジスキネジア)とそれぞれの症状の特徴。定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の副作用プロファイルの違い。悪性症候群などの他の重篤な副作用。