判断能力が不十分な認知症高齢者の権利擁護を目的とするのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な方が地域で安心して生活できるよう、福祉サービスの利用援助や金銭管理などを通じて、その権利を擁護することを目的としています。認知症高齢者の判断能力の低下に対応し、尊厳が保持された生活を送れるよう支援する中核的な事業です。
選択肢ごとの解説
- 1. 公的年金制度は、老齢、障害、死亡といった事由により所得が途絶えたり減少したりした場合に、国民の生活を保障するための制度であり、認知症高齢者の権利擁護を直接の目的とするものではありません。正しくは:国民の老齢・障害・死亡時の所得保障を目的とする制度。選びやすい理由:高齢者の生活を支える制度ではあるが、権利擁護が主目的ではない点で誤解を招く可能性があります。混同注意:高齢者全体の経済的支援と個別の権利擁護を混同してしまうと誤った選択に繋がります。
- 2. 生活保護制度は、生活困窮者に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度であり、認知症高齢者の判断能力の低下に伴う権利擁護を直接の目的とするものではありません。困窮状態にある認知症高齢者も対象となり得ますが、制度の主眼は権利擁護ではありません。正しくは:生活困窮者に対する最低生活保障を目的とする制度。選びやすい理由:経済的に困窮している認知症高齢者の生活を支える側面はあるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:経済的支援と法的な権利擁護・意思決定支援の区別が曖昧だと迷うことがあります。
- 3. 後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者(または65歳以上で一定の障害がある方)を対象とした医療保険制度であり、医療費の自己負担割合を軽減することを目的としています。認知症高齢者の医療費を支援する制度ではありますが、判断能力が不十分な場合の権利擁護そのものを目的とするものではありません。正しくは:75歳以上の高齢者等に対する医療費の自己負担を軽減する医療保険制度。選びやすい理由:高齢者の生活に密接に関わる制度であるため、権利擁護と関連付けやすいかもしれません。混同注意:医療保障と権利擁護は異なる概念であり、混同しないよう注意が必要です。
- 4. 正解。日常生活自立支援事業は、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者などで判断能力が不十分な方々が、地域で安心して暮らせるよう、福祉サービスの利用援助や金銭管理などを行うことで、権利擁護を目的としています。これが、判断能力が不十分な認知症高齢者の権利擁護を直接的に目的とする事業です。正しくは:判断能力が不十分な方の福祉サービス利用援助や金銭管理を通して、権利を擁護することを目的とする事業。選びやすい理由:事業の名称から直接的に目的が読み取れるため、迷うことは少ないでしょう。混同注意:他の選択肢が高齢者全般に関わる制度であるのに対し、本事業は判断能力が不十分な人の権利擁護に特化している点が重要です。
国試ポイント
認知症高齢者の権利擁護に関する社会資源と制度の理解が問われています。特に、判断能力が不十分な状況において、具体的な支援を行う事業内容を把握していることが重要です。
混同注意
各制度が高齢者の生活を支えるものであるため、漠然と「高齢者支援」と捉えると混同しやすいです。それぞれの制度がどのような「目的」を持っているのかを明確に理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この問題では制度の「目的」が問われています。各制度の名称だけでなく、その制度が具体的にどのような課題を解決し、どのような支援を行うのかを理解することが、次の判断につながります。
関連知識
成年後見制度(法定後見・任意後見)、地域包括支援センターの役割、消費者被害防止など、認知症高齢者の権利擁護に関連する他の制度や機関についても理解を深めると良いでしょう。