Alzheimer〈アルツハイマー〉型認知症の患者にみられる実行機能障害はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
実行機能障害は、目標を設定し、計画を立て、順序立てて行動し、問題解決を行う能力の障害を指します。料理の手順が分からなくなることは、計画性や段取り能力の障害であり、まさに実行機能障害の中核的な症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは着衣失行(行為に関する失行)の一例であり、実行機能障害ではなく、失行の一つとして理解されます。正しくは:これは着衣失行に該当します。選びやすい理由:一見、計画性の欠如のように見えるかもしれませんが、身体運動のプログラムが障害されている状態です。混同注意:実行機能障害と失行の区別が曖昧だと迷う可能性があります。
- 2. 正解。料理の手順を理解し、順序立てて行動することは、計画性、順序立て、問題解決といった実行機能の中核をなします。この機能が障害されると、調理のような複雑な作業ができなくなります。
- 3. これは注意の転導性亢進(注意障害)の一例であり、実行機能障害よりも注意機能の障害に分類されます。正しくは:これは注意の転導性亢進(注意障害)に該当します。選びやすい理由:集中力の欠如が原因と考えるかもしれませんが、タスク遂行能力そのものの問題ではありません。混同注意:注意障害と実行機能障害の区別が曖昧だと迷う可能性があります。
- 4. これは自己認識の障害や幻視、または視覚失認に関連するものであり、実行機能障害とは異なります。正しくは:これは自己認識の障害や幻覚に関連します。選びやすい理由:現実検討能力の低下と捉えるかもしれませんが、計画性や問題解決能力の直接的な障害ではありません。混同注意:幻覚・妄想と実行機能障害の区別が曖昧だと迷う可能性があります。
- 5. これは道具の誤用(観念失行の一種や失認に近い状態)であり、道具の正しい使い方に関する知識の障害を示しますが、実行機能障害とは異なります。正しくは:これは道具の誤用(失行または失認)に該当します。選びやすい理由:目的と手段の混同と考えるかもしれませんが、これは道具の概念的な理解の障害です。混同注意:失行や失認と実行機能障害の区別が曖昧だと迷う可能性があります。
国試ポイント
アルツハイマー型認知症における中核症状(記憶障害、見当識障害、実行機能障害、失語、失行、失認など)の具体的な症状を正確に理解し、区別できるかが問われています。特に実行機能障害は、日常生活動作(ADL)に大きく影響するため重要です。
混同注意
失行(着衣失行、観念失行など)、失認(視覚失認など)、注意障害(注意の転導性亢進)、記憶障害と実行機能障害の鑑別がポイントになります。
次に同じ論点が出たら
患者の具体的な行動から、どの認知機能障害が背景にあるかを判断し、それに応じた適切なケア計画を立案する。
関連知識
実行機能障害の評価には、BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)などが用いられます。また、実行機能は前頭葉機能と深く関連しており、前頭側頭型認知症でも顕著に見られます。