急性心筋梗塞患者の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
急性心筋梗塞では、心筋の広範囲な壊死により心ポンプ機能が低下し、心不全や心原性ショックといった重篤な合併症を引き起こす可能性があります。心機能低下を代償しようとして心拍数が増加し、頻脈となることは、これらの合併症の早期徴候の一つとして重要です。心電図モニタリングなどにより頻脈を早期に察知し、適切な介入を行うことが予後改善につながります。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性心筋梗塞の合併症として、一般的に皮疹の出現は早期発見の徴候とは考えられません。皮疹は薬物アレルギーや全身性疾患など、他の原因でみられることが多いです。正しくは:急性心筋梗塞の合併症として、皮疹は主要な徴候ではない。選びやすい理由:一般的な病態の兆候と混同しやすいが、特異性は低い。混同注意:他の心疾患や薬剤反応による皮膚症状と混同する可能性がある。
- 2. 正解。急性心筋梗塞では、心筋の壊死により心ポンプ機能が低下し、全身への血液供給が不足することがあります。これを代償しようとして心臓が拍動数を増やし、頻脈となることがあります。これは心不全や心原性ショックといった重篤な合併症の早期徴候となり得ます。正しくは:頻脈は心機能低下や心不全の代償反応として現れ、早期合併症の指標となる。選びやすい理由:頻脈は様々な原因で起こるため、心筋梗塞に特異的ではないと考えるかもしれないが、心筋梗塞後の頻脈は心機能悪化を示唆する重要なサインである。混同注意:疼痛や不安による交感神経刺激でも頻脈は生じるため、鑑別が必要だが、持続する頻脈は心機能低下を示唆する。
- 3. 急性心筋梗塞後の合併症、特に心機能低下による心不全では、腎血流が減少し、尿量は減少することが一般的です。時間尿の増加は通常、心機能の悪化を示す徴候とはなりません。正しくは:心機能低下による心不全では、腎血流減少に伴い尿量は減少することが多い。選びやすい理由:利尿剤の使用などで一時的に尿量が増える可能性もあるが、心筋梗塞の合併症としての早期発見徴候には不適切である。混同注意:正常な腎機能が保たれている状態での尿量変化と、心不全による腎血流低下を混同する。
- 4. 腹壁静脈の怒張は、門脈圧亢進症や下大静脈閉塞など、主に肝臓や全身のうっ血を示す徴候であり、急性心筋梗塞の合併症を早期に発見する徴候としては一般的ではありません。正しくは:腹壁静脈の怒張は肝疾患や下大静脈閉塞などの徴候であり、急性心筋梗塞の合併症とは直接関連が薄い。選びやすい理由:右心不全の徴候として体静脈のうっ血があるため、腹部に関係する症状と誤解する可能性がある。混同注意:右心不全による頸静脈怒張と腹壁静脈怒張を混同する。後者は門脈系や下大静脈系のうっ滞を示唆する。
- 5. うっ血乳頭は、頭蓋内圧亢進の徴候であり、脳腫瘍や脳出血などで見られます。急性心筋梗塞の合併症を早期に発見する徴候としては不適切です。正しくは:うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進を示唆する眼科的徴候であり、急性心筋梗塞の合併症とは直接関係がない。選びやすい理由:重篤な合併症をイメージさせる言葉だが、心臓とは異なる臓器の病態である。混同注意:他の重篤な合併症(例:心原性脳塞栓症など)の症状の一部と誤解する可能性もあるが、うっ血乳頭は特異的な徴候ではない。
国試ポイント
急性心筋梗塞後の合併症、特に心機能低下に関連する徴候を正確に理解しているかが問われています。心不全や心原性ショックの初期症状を把握することが重要です。
混同注意
頻脈は疼痛や不安、発熱など様々な原因で生じるため、急性心筋梗塞後の頻脈が心機能低下によるものか、他の要因によるものかを鑑別する臨床的判断が求められます。
次に同じ論点が出たら
頻脈が確認された場合、心電図変化、血圧、尿量、SpO2、意識レベルなどを総合的に評価し、心機能低下の有無を判断するとともに、医師への報告と適切な処置を開始する。
関連知識
心不全の徴候(呼吸困難、浮腫、倦怠感、頻脈、低血圧など)、心原性ショックの徴候(低血圧、尿量減少、意識障害、皮膚冷汗など)。