Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第112回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
看護師は、対象者の感情や状況を理解するために、まず傾聴の姿勢を示すことが重要です。相手の「不安そうに話しかけてきた」という状況に対し、「どのような思いがありますか」と問いかけることで、相手が抱える具体的な不安や心配事を聞き出し、それに基づいた個別性の高い支援へと繋げることができます。これにより、相手は安心して自分の気持ちを表現できるようになり、信頼関係の構築にも寄与します。
選択肢ごとの解説
- 1. 介護が楽しいかどうかは個人の感じ方によるため、一般論として断定することは不適切です。また、相手の不安に寄り添う対応ではありません。正しくは:相手の不安な気持ちを受け止め、具体的な支援を提案する方向で話を進めます。選びやすい理由:ポジティブな言葉で励まそうとする意図はあるかもしれませんが、相手の状況と感情に合致していません。混同注意:「楽しい」という言葉が、介護の現実と乖離していると感じさせる可能性があります。
- 2. 介護の習熟度には個人差があり、すぐに慣れると安易に断言することは、相手にプレッシャーを与えたり、現実とのギャップに苦しませる可能性があります。正しくは:具体的な介護技術や情報提供の機会があることを伝え、必要に応じて相談できる窓口があることを示唆します。選びやすい理由:不安を軽減しようとする意図は理解できますが、根拠のない断言は信頼性を損ないます。混同注意:「すぐに」という言葉が、相手の感じる困難さを軽視していると受け取られる可能性があります。
- 3. 「頑張りましょう」という言葉は、相手の不安な気持ちを具体的に聞き出す前に、さらなる負担や努力を求めるニュアンスを与えかねません。まず相手の思いを傾聴することが大切です。正しくは:まず相手の具体的な不安や困り事を尋ね、その上で家族の協力をどのように支援できるかを検討する姿勢を示します。選びやすい理由:家族の協力を促すこと自体は重要ですが、相手が不安を訴えている段階で最初に言うべき言葉ではありません。混同注意:「頑張る」という言葉は、すでに不安を感じている人にとっては、精神的な負担を増やすことがあります。
- 4. 正解。不安を抱えている相手に対し、まずその具体的な内容や感情を尋ねることで、相手の気持ちを傾聴し、個別性のある支援につなげることができます。これは、看護師として信頼関係を築き、対象者のニーズを把握する上で最も適切な対応です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:これは最も適切な対応であり、他の選択肢のように不安を軽視したり、不確かな断言をしたりしていません。混同注意:傾聴の姿勢を示すことで、相手は安心して自分の気持ちや具体的な困り事を話せるようになります。
国試ポイント
看護師の基本的姿勢である「傾聴」と「対象者中心のケア」が問われています。対象者の発言の背景にある感情や具体的なニーズを把握するためのコミュニケーション能力が重要です。
混同注意
他の選択肢は、相手の不安を十分に聞き取らずに、一方的に励ましや一般論を述べるものであり、個別性のある支援には繋がりません。特に「頑張りましょう」は、既に負担を感じている人にはさらなるプレッシャーを与えかねません。
次に同じ論点が出たら
相手の回答内容に応じて、具体的な情報提供(介護保険サービス、地域の相談窓口)、介護技術指導、精神的サポート、家族カンファレンスの調整などを検討します。
関連知識
ラポール形成、アクティブリスニング(能動的傾聴)、共感的コミュニケーション、個別性のある看護計画の立案。