貧血の定義で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
貧血は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン濃度が基準値よりも低い状態を指します。ヘモグロビンは酸素を運搬する役割を担っているため、ヘモグロビン濃度が減少すると全身への酸素供給能力が低下し、様々な症状を引き起こします。したがって、「ヘモグロビン濃度が減少していること」が貧血の最も直接的で正確な定義です。
選択肢ごとの解説
- 1. 血圧低下は貧血の症状として現れることがありますが、貧血そのものの定義ではありません。貧血により循環血液量が相対的に不足したり、心臓への負担が増加したりすると血圧変動を来す可能性があります。正しくは:血圧が低下する症状は貧血に伴う可能性があるが、貧血の直接的な定義ではない。選びやすい理由:貧血が進行するとめまいや立ちくらみといった症状が血圧低下と関連して現れるため、誤って選択しがちです。混同注意:貧血の症状と定義を混同しやすいです。症状は病気によって引き起こされる身体の変化であり、定義はその病気自体が何であるかを示すものです。
- 2. 脈拍が速くなること(頻脈)は、貧血の身体反応として現れる症状の一つですが、貧血の定義ではありません。体内の酸素供給能力が低下した際に、心臓がその不足を補おうとして拍動数を増加させることで生じます。正しくは:脈拍が速くなる症状は貧血に伴う代償反応であるが、貧血の直接的な定義ではない。選びやすい理由:心臓が酸素不足を補おうとする代償作用として頻脈がよく見られるため、貧血の主要な特徴と捉えてしまうことがあります。混同注意:貧血の代償反応と定義を混同しやすいです。代償反応は身体が異常状態に適応しようとする生理的な変化です。
- 3. 立ち上がった際に失神する(起立性低血圧や脳貧血)は、重度の貧血やその他の疾患で起こりうる症状ですが、貧血そのものの定義ではありません。貧血が原因で脳への血流が一時的に不足した際に起こりえます。正しくは:立ち上がると失神を起こす症状は貧血によって引き起こされる可能性があるが、貧血の直接的な定義ではない。選びやすい理由:「脳貧血」という言葉があるため、立ちくらみや失神が貧血の核心的な特徴であると誤解しやすいです。しかし、「脳貧血」という用語は、現在の医学ではあまり用いられません。混同注意:貧血の重篤な症状と定義を混同しやすいです。失神は生命に関わることもある重要な症状ですが、それが貧血の定義ではありません。
- 4. 正解。貧血は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビン濃度が基準値以下に低下した状態を指します。ヘモグロビンは酸素を全身に運搬する重要な役割を担っており、その濃度が減少すると体組織への酸素供給能力が低下します。正しくは:この選択肢が貧血の定義そのものである。選びやすい理由:他の選択肢は貧血に伴う症状や身体反応であるため、最も本質的な定義を見極める必要があります。混同注意:貧血の具体的な症状と、その病態生理学的定義を明確に区別することが重要です。
国試ポイント
貧血の定義を正確に理解しているかどうかが問われる問題です。貧血は臨床でよく遭遇する病態であり、その定義だけでなく、症状、原因、分類、診断、治療、看護についても基本的な知識が求められます。特に、症状と定義を混同しないことが重要です。
混同注意
貧血の定義と、貧血によって引き起こされる症状(血圧低下、頻脈、失神など)を混同しやすい。症状はあくまで結果であり、貧血そのものの本質的な状態を示すものではない。
次に同じ論点が出たら
貧血の定義だけでなく、主要な貧血の種類とその特徴、それぞれの治療法や看護介入について説明できるか。例えば、鉄欠乏性貧血の患者に対する食事指導や服薬指導、輸血が必要な場合の看護などを検討できるか。
関連知識
貧血の分類(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血など)、WHOが定めるヘモグロビン濃度の基準値(例:成人男性13g/dL未満、成人女性12g/dL未満)、貧血の主な症状(倦怠感、息切れ、動悸、顔色不良、めまいなど)、診断のための検査(CBC、血清鉄、フェリチン、葉酸、ビタミンB12など)。