Aさん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症で内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。Aさんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高血圧症で内服治療を受けている患者が海外へ長期渡航する際には、薬の不足、時差による服用スケジュールの変更、現地の気候や食事による影響、薬の保管方法など、様々な問題が生じる可能性があります。これらの点について、事前にかかりつけ医と相談し、必要な指示や準備(予備薬の処方、英文処方箋の作成など)を受けることが最も重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 高血圧症の治療において、減塩は生活習慣の重要な要素であり、海外渡航中も継続することが基本です。特に開発途上国では食事が変わることで塩分摂取量が増える可能性もあります。正しくは:「出張中も、高血圧症の管理のために減塩を心がけましょう」選びやすい理由:海外で慣れない食事になるため、減塩まで意識するのは大変だろうという配慮から誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:短期的な渡航で食事制限が一時的に不要になる、という誤解と混同しやすいです。慢性疾患の生活指導は継続性が重要です。
- 2. 高血圧症の治療において、適度な有酸素運動は推奨される生活習慣です。渡航先での環境変化(気温、湿度、標高など)を考慮する必要はありますが、一概に控えるように指示するのは適切ではありません。むしろ、熱中症や脱水に注意しつつ、継続できる範囲での運動が望ましいです。正しくは:「現地の環境(気候や標高など)に慣れるまでは激しい運動を避け、体調に合わせて無理のない範囲で有酸素運動を継続しましょう」選びやすい理由:現地の気候や環境への適応を考慮して、運動を控えるべきだと判断してしまう可能性があります。混同注意:「激しい運動は控える」という指示と「有酸素運動を控える」という指示を混同する可能性があります。高血圧症患者の運動は基本的に推奨されますが、過度な運動は避けるべきです。
- 3. 渡航先での健康管理は重要ですが、到着後すぐに健康診断を受けることが一般的、かつ最も適切な行動であるとは限りません。高血圧症の管理としては、まずは内服薬の継続や体調管理が優先されます。現地の医療機関の情報収集や、症状が出た場合の受診準備の方が現実的です。正しくは:「現地の医療機関の情報を事前に確認し、体調に変化があった際には速やかに受診できるように準備しましょう」選びやすい理由:健康管理の意識が高い行動のように見えるため、正しい選択肢だと誤解する可能性があります。混同注意:一般的な健康管理行動と、特定疾患(高血圧症)を持つ患者の渡航時における具体的なリスク管理行動を混同しやすいです。
- 4. 正解。海外渡航、特に開発途上国への長期滞在の場合、内服薬の継続、現地での入手可能性、時差による服用時間の調整、持ち運びに関する規制、予備薬の必要性など、様々な検討事項があります。これらをかかりつけ医と事前に相談することは、安全な薬物治療の継続に不可欠です。正しくは:正しい選択肢であるため、修正の必要はありません。選びやすい理由:高血圧症という慢性疾患の薬物治療は自己判断が危険であるため、専門医への相談は常に重要な行動指針です。混同注意:一般的な旅行時の薬の持ち運びに関する注意と、慢性疾患を持つ患者の長期渡航時の専門的な医療管理の必要性を混同しないように注意が必要です。
国試ポイント
慢性疾患を持つ患者の海外渡航時の自己管理と医療連携の重要性について問われています。特に、薬物治療の継続性、専門職への相談の必要性がポイントです。
混同注意
海外渡航における一般的な健康管理と、特定の慢性疾患を持つ患者の専門的な医療管理の区別。
次に同じ論点が出たら
同様の状況で、糖尿病患者や自己免疫疾患患者などの慢性疾患を持つ患者が海外渡航する際の注意点について問われる可能性があります。また、渡航先の気候や文化が健康に与える影響についても理解しておく必要があります。
関連知識
海外渡航時の予防接種、感染症予防、時差ボケ対策、医薬品の携帯に関する国際規制、高血圧症の生活指導(減塩、運動、禁煙、節酒)。