Aさん(24歳、女性)は大学卒業後、一般企業に就職したが、何度も自宅の鍵を閉めたかどうかを確認するため、遅刻を繰り返した。連絡せずに複数回の遅刻があったことを上司のBさんから強く注意され、うつ状態となったため精神科外来を受診したところ、強迫性障害と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。 内服を始めて1週後、Aさんは看護師に「鍵を閉めたかどうかの確認が増え、睡眠時間が減ってつらい」と訴えている。看護師の声かけで適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
患者の訴えに対し、具体的な状況を把握するための情報収集を行うことが看護師の最初の重要な役割です。睡眠状況を詳しく聞くことで、その原因(薬の副作用、精神的な要因、生活習慣など)をアセスメントし、次の適切な対応へとつなげることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 内服開始から1週間では、まず症状の詳細なアセスメントが優先されます。すぐに薬の変更を提案するのは早計であり、看護師の判断で薬の変更を促すのは適切ではありません。正しくは:まずは現状を詳細に把握し、医師へ情報提供を行うべきである。選びやすい理由:症状の原因が薬にある可能性も考慮すると、薬の変更は選択肢の一つに思える。混同注意:症状が薬の副作用かもしれないという懸念から、すぐに薬の変更を考えるかもしれない。
- 2. 正解。患者の訴えに対し、まず具体的な情報収集を行うことが看護の基本です。睡眠時間の減少という訴えに対して、その状況や原因について詳細に把握することで、適切なアセスメントと看護介入が可能になります。これによって、薬の影響、精神的な要因、生活習慣など多角的な視点から問題点を評価できます。正しくは:適切であるため修正不要。選びやすい理由:患者の主訴に直接関連するため、すぐに情報を得たいと考える。混同注意:患者の訴えを鵜呑みにせず、客観的な情報を収集するステップが重要である。
- 3. Bさんは、遅刻についてAさんを強く注意した上司です。しかし、Aさんの現在の訴えは、内服開始後に確認行為が増えて睡眠時間が減っていることであり、部署の異動を勧めることはこの訴えへの対応になりません。まずは睡眠の状態を具体的に確認することが優先されます。正しくは:まずはAさんの睡眠の状態や確認行為の状況を具体的に聴き、主治医と情報を共有します。選びやすい理由:上司から強く注意されたことがうつ状態のきっかけになっているため、職場環境を変えることが解決策のように思えるためです。混同注意:問題文中に登場しない人物や情報に言及することは、一般的に誤りであることが多い。
- 4. 鍵の確認行動は強迫行為の一種と考えられ、単純に「別のことを考える」だけで解決するようなものではありません。患者の苦痛の根本原因に対処せず、安易な対処法を提案することは、患者の症状を軽視する行為につながりかねません。まずは詳細なアセスメントと専門家による介入の必要性を検討すべきです。正しくは:強迫行為への不適切な対応であり、まず詳細なアセスメントが優先される。選びやすい理由:一時的な対処法として役立つように見えるかもしれない。混同注意:認知行動療法のアプローチの一部と誤解するかもしれないが、これは専門的な介入なしに患者に指示すべき内容ではない。
国試ポイント
患者の主訴に対する情報収集の重要性、具体的なアセスメント能力、そして不適切な介入を避ける判断力が問われています。薬の変更や安易な精神的アドバイスは看護師の役割の範疇を超えたり、不適切であったりすることを示唆しています。
混同注意
症状の原因が特定されていない段階で、特定の介入を提案する選択肢(薬の変更、精神的アドバイス)が紛らわしい可能性があります。しかし、基本はまず情報収集です。
次に同じ論点が出たら
詳細な睡眠状況を把握した後、必要に応じて医師への報告、生活指導の検討、精神科リエゾンチームへの相談などを検討します。
関連知識
精神科看護におけるアセスメント、薬物療法の副作用に関する知識、強迫性障害の基本的な理解。