胃潰瘍による少量の吐血の特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
胃潰瘍からの少量の吐血では、出血した血液が胃酸と混ざり、ヘモグロビンが酸化されてメトヘモグロビンに変化します。この変化により、血液は黒褐色となり、コーヒーの残りかすのような粒々とした状態になるため、「コーヒー残渣様吐物」と表現されます。これは上部消化管出血の典型的な特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは肺からの出血(喀血)でよく見られる特徴であり、空気と血液が混ざることで生じます。胃からの吐血では通常みられません。正しくは:肺からの喀血でよく見られる性状である。選びやすい理由:血液が混じること全般と結びつけてしまいがちですが、泡の有無は吐血と喀血の重要な鑑別点です。混同注意:吐血と喀血の性状の鑑別。
- 2. アセトン臭は、糖尿病性ケトアシドーシスなど、体内で脂肪が分解される際に発生するケトン体が呼気から排出される際に感じられる匂いです。吐血の性状とは関連がありません。正しくは:糖尿病性ケトアシドーシスなどで認められる呼気の臭いである。選びやすい理由:特定の病態と結びつく臭いという点で、何らかの異常な状況を表すものと勘違いしやすい。混同注意:特定の疾患でみられる体臭(呼気臭)と吐血の性状。
- 3. アンモニア臭は、肝不全や腎不全などで体内のアンモニアが処理しきれずに蓄積したり、尿路感染症などで尿中にアンモニアが発生したりする際に感じられる匂いです。吐血の性状とは関連がありません。正しくは:肝不全、腎不全、尿路感染症などで認められる呼気や尿の臭いである。選びやすい理由:特定の病態と結びつく臭いという点で、何らかの異常な状況を表すものと勘違いしやすい。混同注意:特定の疾患でみられる体臭(呼気臭)と吐血の性状。
- 4. 正解。胃潰瘍からの少量の出血は、胃酸と接触することで血液中のヘモグロビンが酸化され、黒褐色のメトヘモグロビンに変化します。これがコーヒーの残りかすのような、粒々とした黒っぽい見た目となるため、「コーヒー残渣様吐物」と呼ばれ、上部消化管からの出血に特徴的です。
国試ポイント
消化器疾患における出血の性状を問う問題です。特に、上部消化管出血と下部消化管出血による便の性状、そして吐血と喀血の鑑別点を理解しているかが重要となります。
混同注意
上部消化管出血の「コーヒー残渣様吐物」と、下部消化管出血による「タール便」や「鮮血便」の区別、また吐血と喀血の鑑別点(性状、pH、先行症状など)。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、吐血と喀血の鑑別、大量出血時の吐血(鮮血)と少量出血時の吐血(コーヒー残渣様)の区別、さらに便の性状(タール便、鮮血便)から出血部位を特定する知識が問われる可能性があります。
関連知識
吐血と喀血の主な鑑別点(色、泡の有無、pH、先行症状)、上部消化管出血の主な原因疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂、マロリー・ワイス症候群など)、下部消化管出血の主な原因疾患(大腸憩室出血、虚血性腸炎、痔核など)、各疾患に伴う特徴的な身体の匂い(アセトン臭、アンモニア臭など)。