下垂体後葉から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
下垂体後葉から分泌されるホルモンは、視床下部で産生され軸索輸送によって下垂体後葉に運ばれ貯蔵されるオキシトシンとバソプレシン(抗利尿ホルモン、ADH)の2種類です。オキシトシンは子宮収縮や乳汁分泌、社会行動に関与し、バソプレシンは腎臓での水の再吸収促進や血管収縮作用があります。
選択肢ごとの解説
- 1. グレリンは主に胃から分泌され、食欲増進に関わるホルモンです。下垂体後葉からは分泌されません。正しくは:胃から分泌される食欲増進作用を持つホルモンである。選びやすい理由:ホルモンであるという共通点はあるものの、下垂体とは分泌場所が大きく異なるため、知識がないと選びにくいが、他の消化管ホルモンなどと混同する可能性はある。混同注意:消化管ホルモン(セクレチン、コレシストキニンなど)や、摂食行動を制御する視床下部からの神経ペプチドなど。
- 2. エストロゲンは主に卵巣や副腎皮質、脂肪組織から分泌される女性ホルモンです。下垂体後葉からは分泌されません。正しくは:卵巣などから分泌される女性ホルモンである。選びやすい理由:性ホルモンは内分泌系の重要な要素であり、下垂体が性腺刺激ホルモン(FSH, LH)を分泌するため、分泌場所を混同しやすい。しかし、エストロゲンは性腺自体から分泌される。混同注意:下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモン(FSH、LH)と、その作用対象である性腺から分泌される性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン)の区別。
- 3. 正解。オキシトシンは視床下部の神経細胞で産生され、下垂体後葉に貯蔵された後、そこから分泌されます。子宮収縮や乳汁分泌、社会行動に関与します。
- 4. 正解。バソプレシン(抗利尿ホルモン、ADH)も視床下部の神経細胞で産生され、下垂体後葉に貯蔵された後、そこから分泌されます。腎臓での水の再吸収促進や血管収縮作用があります。
- 5. アルドステロンは副腎皮質から分泌されるミネラルコルチコイドで、体内のナトリウムとカリウムのバランス、および血圧の調節に重要な役割を果たします。下垂体後葉からは分泌されません。正しくは:副腎皮質から分泌されるミネラルコルチコイドである。選びやすい理由:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が下垂体前葉から分泌されるため、副腎関連ホルモンを下垂体と結びつけやすいが、アルドステロンは副腎皮質自体から分泌される。混同注意:下垂体前葉からのACTHと、ACTHの刺激によって副腎皮質から分泌されるホルモン(コルチゾール、アルドステロンなど)の区別。
国試ポイント
下垂体後葉から分泌されるホルモンの種類と、その主要な作用について問う問題です。下垂体前葉から分泌されるホルモンとの区別や、他の主要な内分泌腺(甲状腺、副腎、膵臓、性腺など)から分泌されるホルモンとの分泌部位の区別が重要になります。特に、ホルモンが産生される場所(視床下部)と分泌される場所(下垂体後葉)が異なる点も理解しておく必要があります。
混同注意
下垂体前葉ホルモン(成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチンなど)は、下垂体前葉自体で産生・分泌されます。また、視床下部ホルモンや、他の内分泌腺(胃、卵巣、副腎皮質など)から分泌されるホルモンと混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が問われた場合、下垂体前葉から分泌されるホルモンを問う問題や、各ホルモンの具体的な作用、あるいはそれらのホルモン分泌異常によって生じる疾患名(例:巨人症・先端巨大症、尿崩症、SIADHなど)と関連付けて出題される可能性が高いです。また、ホルモンの産生部位と分泌部位の区別をより詳細に問われることも考えられます。
関連知識
下垂体前葉と後葉の機能的な違い(前葉は自身の細胞で産生・分泌、後葉は視床下部で産生されたホルモンを貯蔵・分泌)。オキシトシン(子宮収縮、乳汁射出、愛着行動)とバソプレシン(腎臓での水再吸収促進、血管収縮、尿崩症やSIADHとの関連)の具体的な作用を理解することが重要です。