成人健常者の背臥位姿勢で体圧が最も小さい部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
健常な成人の背臥位では、脊柱の生理的弯曲によって体圧の分布が異なります。腰椎は前弯しているため、特に第3腰椎あたりは支持面と接しにくく、体圧が最も小さくなります。一方で、後頭骨、肩甲骨(棘突起部)、仙骨、踵骨といった骨が突出している部位は、ベッドと直接接触しやすいため、体圧が高くなる傾向にあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 後頭骨は頭部の突出した骨であり、仰臥位ではベッドと直接接触しやすいため、体圧が高くなる部位です。特に枕を使用しない場合や硬い枕の場合に顕著です。正しくは:体圧は高い。選びやすい理由:頭部は体の中で比較的軽い部位であるため、体圧が低いと誤解する可能性があります。混同注意:頭部の他の柔らかい組織(髪、皮膚)と混同し、骨による圧力を過小評価することがあります。
- 2. 肩甲骨、特にその棘や下角は突出しており、仰臥位ではベッド面と接触しやすく、体圧が比較的高くなる部位です。正しくは:体圧は高い。選びやすい理由:背中全体で体重を分散するように思えるかもしれませんが、肩甲骨の骨突出部では局所的に圧力が集中します。混同注意:広い背部全体の圧力と、肩甲骨の突出部による局所的な圧力集中を混同しやすいです。
- 3. 正解。健常な成人の腰椎は生理的な前弯(腰椎前弯)があるため、仰臥位では第3腰椎のあたりがベッド面からわずかに浮くか、ほとんど接触しない状態になります。このため、他の主要な支持部位と比較して体圧が最も小さくなります。選びやすい理由:特になし。生理的な湾曲を理解していれば正答できます。混同注意:仙骨など、腰部に近い他の高圧部位と混同する可能性があります。
- 4. 仙骨は骨盤の中央に位置する大きく平らな骨で、仰臥位では臀部とともに広範囲でベッド面と接触し、体重を支える主要な部位の一つです。そのため、体圧は高くなります。正しくは:体圧は高い。選びやすい理由:仙骨は比較的広い面積で接するため、圧力が分散されると誤解するかもしれませんが、体重の大部分がここにかかります。混同注意:腰椎との位置関係や、臀部の脂肪組織による緩衝効果と混同しやすいです。
- 5. 踵骨は足の末端にある突出した骨であり、仰臥位で足がリラックスした状態ではベッド面と直接接触し、体重の一部を支えるため、体圧が高くなる部位です。特に下肢の筋力が低下している場合に圧力が集中しやすいです。正しくは:体圧は高い。選びやすい理由:足先は体の中で最も軽い部位の一つであり、体圧が低いと誤解する可能性があります。混同注意:ふくらはぎなどの比較的柔らかい組織による緩衝効果と、踵骨の骨突出による局所的な圧力集中を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、健常な成人の仰臥位における体圧分布に関する基本的な解剖学的知識と、身体の生理的湾曲が体圧に与える影響を理解しているかを問うものです。特に、褥瘡の発生しやすい高圧部位と、そうでない部位の区別が重要になります。
混同注意
体圧が高くなる「褥瘡好発部位」と、体圧が低くなる部位の区別を混同しやすいです。また、体格や寝具の種類によって体圧分布は変化しますが、この問題では「健常者」という前提で一般的な生理的弯曲の影響を問うています。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「体圧が高くなる骨突出部(褥瘡好発部位)」を特定し、残った選択肢の中から「生理的弯曲により接触が少ない部位」を探すという思考プロセスで判断します。
関連知識
褥瘡予防のための体位変換、ポジショニング、体圧分散寝具の選択、脊柱の生理的弯曲(頸椎・腰椎前弯、胸椎後弯)とその役割。