Parkinson病患者(Yahrの重症度分類ステージⅢ)のADL指導で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Yahrのステージ3のParkinson病では姿勢反射障害が現れ、すくみ足や小刻み歩行、突進現象により転倒しやすくなります。段差は歩行のリズムや視覚的な手がかりになるため、階段の方がスロープより歩きやすいことが多いとされます。スロープでは前傾・加速歩行が起こりやすくなります。したがって「スロープよりも階段を利用する」が最も適切です(公式正答4)。スリッパや毛足の長いカーペットは転倒の原因となり、カミソリは振戦により危険です。ロフストランド杖は一律に勧められる指導ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. スリッパは脱げやすく、すり足・小刻み歩行のあるParkinson病患者では、つまずきや転倒の原因になります。正しくは:かかとのある、脱げにくい靴を勧めます。選びやすい理由:室内で一般的な履物のため、選びやすい選択肢です。混同注意:履物と転倒リスク
- 2. 毛足の長いカーペットは、すり足歩行でつま先が引っかかりやすく、転倒の原因になります。正しくは:床はつまずきにくい状態に整えます。選びやすい理由:柔らかく転倒時の衝撃が少ないと考えて選びやすい選択肢です。混同注意:床材と転倒リスク
- 3. 振戦や動作緩慢があるため、カミソリでは皮膚を傷つける危険があります。電気シェーバーが勧められます。正しくは:電気シェーバーを使うよう指導します。選びやすい理由:日常の整容動作として選びやすい選択肢です。混同注意:整容動作の安全性
- 4. 正解。Parkinson病では、段差が歩行のリズムや視覚的な手がかりになり、階段の方がスロープより歩きやすいことが多いとされます。スロープでは前傾・加速歩行が起こりやすくなります(公式正答)。
- 5. Yahrのステージ3では杖が一律に勧められるわけではなく、杖の操作がすくみ足や歩行リズムの乱れにつながることもあります。この中で最も適切な指導とはいえません。正しくは:階段の利用など、Parkinson病の歩行特性に合った指導を優先します。選びやすい理由:姿勢反射障害があるため、歩行補助具が適切と考えて選びやすい選択肢です。混同注意:一般的な歩行補助具の考え方と、Parkinson病の歩行特性
国試ポイント
Parkinson病の歩行の特徴(すくみ足・突進現象・視覚的手がかりの効果)を踏まえたADL指導を選べるかが問われています。
混同注意
歩行補助具を勧めることが常に適切とは限りません。Parkinson病では、杖がすくみ足や歩行リズムの乱れにつながることがあります。
次に同じ論点が出たら
自宅の段差・床材・履物を確認し、転倒予防の環境調整と、手がかりを使った歩行練習を計画する。
関連知識
Hoehn & Yahrの重症度分類:Ⅰ 片側の症状、Ⅱ 両側の症状(姿勢反射障害なし)、Ⅲ 姿勢反射障害が現れるが日常生活は自立、Ⅳ 日常生活に一部介助、Ⅴ 車椅子・寝たきり。歩行の改善には、床の線などの視覚的な手がかりや、リズム音などの聴覚的な手がかりを使う。