検査と下位項目の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
S-M社会生活能力検査は、個人の社会生活能力を評価するための検査であり、「身辺自立」「移動」「作業」「コミュニケーション」「自己統制」「社会化」の6つの下位領域で構成されています。選択肢4の「自己統制」は、この6つの領域の一つであり、感情や行動を適切に調整する能力を指すため、正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)は、ウェクスラー式の知能検査であり、主に認知能力を評価します。「集団参加」は社会性の側面を評価するもので、WPPSIの具体的な下位項目には含まれません。正しくは:WPPSIの下位項目には、言語理解、視空間、流動性推理、ワーキングメモリー、処理速度といった指標があり、それぞれに対応する下位検査が含まれます。選びやすい理由:WPPSIが幼児を対象とした検査であるため、幼児の発達評価として社会性や集団参加といった項目が関連すると考えやすいかもしれません。混同注意:WPPSIが知能検査であることと、新版K式発達検査やS-M社会生活能力検査のような、より広範な発達側面や社会性を評価する検査の項目と混同しやすいです。
- 2. 新版K式発達検査は、発達段階における「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの領域を評価する検査です。「処理速度」という名称の独立した下位項目は含まれていません。正しくは:新版K式発達検査には、例えば「模倣」「積み木」「絵の名称」「指さし」などの具体的な課題項目が含まれます。「処理速度」は、ウェクスラー式知能検査の主要な下位項目の一つです。選びやすい理由:処理速度は重要な認知機能であり、発達検査で評価されるべき要素であるという認識から、いずれかの発達検査に含まれると考えやすいかもしれません。混同注意:新版K式発達検査と、ウェクスラー式知能検査(WISC-IVなど)の項目とを混同しやすいです。ウェクスラー式知能検査には「処理速度」という指標があります。
- 3. 田中・ビネー知能検査は、精神年齢と知能指数を算出する知能検査ですが、ウェクスラー式知能検査のように「ワーキングメモリー」という名称の独立した下位項目や指標は存在しません。正しくは:田中・ビネー知能検査は、年齢に応じた多岐にわたる課題で構成され、主に言語性と非言語性の能力を評価します。「ワーキングメモリー」は、ウェクスラー式知能検査の主要な下位項目の一つです。選びやすい理由:ワーキングメモリーは知能を構成する重要な要素であるため、知能検査であれば当然その能力が評価されると誤解しやすいです。混同注意:田中・ビネー知能検査と、ウェクスラー式知能検査(WISC-IVなど)の項目とを混同しやすいです。ウェクスラー式知能検査には「ワーキングメモリー」という指標があります。
- 4. 正解。S-M社会生活能力検査は、社会生活を送る上で必要な能力を評価する検査であり、「身辺自立」「移動」「作業」「コミュニケーション」「自己統制」「社会化」の6つの下位項目で構成されます。したがって、「自己統制」はこの検査の評価項目の一つであり、正しい組み合わせです。
- 5. 日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(MAP)は、幼児の感覚運動、認知、言語などの発達スクリーニングを行う検査です。公式な下位項目に「社会性」という名称の独立した項目は含まれません。正しくは:日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査は、主に基礎領域、複合領域、非運動領域に分かれ、具体的な運動能力、認知能力、言語能力などを評価します。社会性に関する評価は、他の検査(例:S-M社会生活能力検査)でより詳細に行われます。選びやすい理由:幼児の発達スクリーニングであるため、社会性も重要な評価項目であるという一般的な認識から、この検査に含まれると誤解しやすいかもしれません。混同注意:日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査の評価項目と、S-M社会生活能力検査や新版K式発達検査などの「社会性」を評価する項目とを混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な発達検査や知能検査の名称と、それが具体的にどのような下位項目や領域を評価するのか、という基礎的な知識を問うています。特に、似たような目的を持つ検査間での項目(尺度)の違いを正確に把握しているかが重要です。
混同注意
ウェクスラー式知能検査(WISC/WAIS)と田中・ビネー知能検査、新版K式発達検査、S-M社会生活能力検査、日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査といった、複数の検査の下位項目を混同しやすいです。特に「処理速度」「ワーキングメモリー」「社会性」「集団参加」といった、一般的な発達評価のキーワードが複数の検査に関連するように感じられるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題される場合、他の主要な発達検査や知能検査(例: WISC-V、WAIS-IV、JMAP、遠城寺式乳幼児分析的発達検査)の代表的な下位項目や、各検査の適用年齢、評価領域、算出される指標(IQ、DQ、SQなど)が問われる可能性があります。また、ある検査の特定の項目が、どの認知機能や発達側面を評価しているか、といったより深い理解を問う問題も考えられます。
関連知識
・WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence):幼児版ウェクスラー式知能検査。言語理解、視空間、流動性推理、ワーキングメモリー、処理速度の5つの主要指標で構成される。 ・新版K式発達検査:乳幼児から成人までを対象とし、「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの領域で発達を評価する。 ・田中・ビネー知能検査:ビネー式知能検査を日本で標準化したもので、精神年齢と知能指数を算出する。主に言語性課題と非言語性課題で構成される。 ・S-M社会生活能力検査(Social Maturity Scale):社会生活能力を「身辺自立」「移動」「作業」「コミュニケーション」「自己統制」「社会化」の6つの領域で評価し、社会年齢と社会指数を算出する。 ・日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(MAP):2歳9ヶ月から5歳8ヶ月の幼児を対象とした発達スクリーニング検査で、感覚運動、言語、認知などの多岐にわたる項目で構成される。