関節リウマチで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
関節リウマチの病態生理において、滑膜の炎症とそれに伴う滑膜細胞の増殖は核心的な特徴です。この増殖した滑膜組織(パンヌス)が関節軟骨や骨を破壊し、関節機能の障害を引き起こします。他の選択肢は、急性期と慢性期の治療の使い分け、朝のこわばりの特性、初発関節の部位、装具の有用性に関して誤った記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。関節リウマチの主要な病理学的特徴は、関節を覆う滑膜組織に炎症が生じ、それに伴って滑膜細胞が異常に増殖することです。この増殖した滑膜はパンヌスを形成し、関節軟骨や骨を破壊する原因となります。
- 2. 渦流浴は温熱療法の一種で、疼痛緩和や循環改善、筋弛緩効果が期待できます。関節リウマチの急性炎症期には熱による炎症増悪を避けるため禁忌とされますが、炎症が落ち着いた慢性期や非活動期には、疼痛管理や関節可動域維持のために有効な物理療法として用いられることがあります。そのため、一概に「禁忌」とは言えません。正しくは:急性炎症期には渦流浴は避けるべきですが、慢性期には疼痛緩和などの目的で使用されることがあります。選びやすい理由:急性炎症期には温熱療法を避けるべきという知識から、常に禁忌であると誤解しやすいです。混同注意:急性期の炎症管理における一般的な温熱療法の禁忌と、慢性期におけるリハビリテーション目的の温熱療法が混同されやすいです。
- 3. 関節リウマチ患者は、朝に関節のこわばりが強く、動作が困難な「朝のこわばり」を経験することが多いです。そのため、朝のこわばりが軽減する午後以降に家事などの活動を行う方が、身体への負担が少なく、効率的であるとされています。正しくは:家事などの活動は、朝のこわばりが軽減する午後以降に行う方が望ましいです。選びやすい理由:一般的に午前中に活動を済ませると効率が良いと考える習慣から、この選択肢を選びやすいです。混同注意:一般的な活動時間帯の推奨と、関節リウマチ特有の症状である「朝のこわばり」による活動制限が混同されやすいです。
- 4. 関節リウマチは、通常、手指のPIP関節、MCP関節、手関節、足趾のMTP関節といった、左右対称性の小さな関節に多発性に初発することが特徴です。股関節などの大関節に初発することは稀です。正しくは:通常、手指のPIP関節、MCP関節、手関節などの小さな関節に左右対称性に初発することが多いです。選びやすい理由:「全身性の疾患」というイメージや、「関節」という広い概念から、体の大きな関節にも初期から症状が出ると誤解しやすいです。混同注意:変形性関節症など、大関節に症状が出やすい他の関節疾患と混同しやすいです。
- 5. 関節リウマチの疼痛管理や関節の安定化、変形予防、機能維持のために、装具(スプリントなど)は非常に重要な治療手段です。特に安静時や夜間の疼痛軽減、関節保護のために積極的に使用されます。正しくは:疼痛管理や関節保護、変形予防のために、装具が積極的に使用されます。選びやすい理由:装具が「不自由なもの」や「最終手段」といったネガティブなイメージがある場合、使用しない方が良いと誤解しやすいです。混同注意:装具の役割や適用範囲に関する知識不足から、装具が使用されないものと誤解することがあります。
国試ポイント
関節リウマチの基本的な病態生理(特に滑膜の炎症と増殖)、症状の特徴(朝のこわばり、初発関節)、および理学療法・作業療法における基本的な介入原則(温熱療法、装具療法、生活指導)に関する知識が問われています。
混同注意
急性炎症期と慢性期の治療法の違い、朝のこわばりと活動時間の関係、関節リウマチの初発関節、装具療法の有用性について、誤った理解や他の疾患との混同がないかが試されています。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、関節リウマチの診断基準や病期分類(活動期、寛解期)、各病期における具体的な治療アプローチ(薬物療法、リハビリテーション)の違い、具体的な関節保護の指導内容、様々な装具の種類とその適用、ADL評価と介入方法について確認すると良いでしょう。
関連知識
朝のこわばり、パンヌス形成、尺側偏位、スワンネック変形、ボタン穴変形、変形性関節症との鑑別、薬物療法(DMARDsなど)、関節保護の原則、作業効率化、ADL指導、温熱療法・寒冷療法の使い分け、装具の種類(シーネ、スプリントなど)。