生化学検査項目と検査値の組合せで基準範囲内にあるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、過去1~2ヶ月の血糖コントロール状態を反映する指標であり、糖尿病の診断や管理に用いられます。NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)による基準範囲は通常4.6%~6.2%程度です。選択肢5の5.5%は、この基準範囲内に該当するため、基準範囲内にある検査値として正しい組み合わせです。
選択肢ごとの解説
- 1. C反応性蛋白(CRP)の基準範囲は通常0.3mg/dL未満です。7.2mg/dLは基準範囲を大きく超えており、感染症や炎症性疾患が疑われる異常高値です。正しくは:基準範囲内であれば「0.3mg/dL未満」選びやすい理由:基準範囲を暗記しきれていない場合、具体的な疾患との関連付けが曖昧な場合に選びやすいかもしれません。混同注意:他の検査値の基準範囲や、CRPが陽性となる閾値と混同することがあります。
- 2. アルブミン(Alb)の基準範囲は通常4.0~5.0g/dL程度です。2.3g/dLは基準範囲を下回っており、低アルブミン血症を示します。肝機能障害、腎疾患(ネフローゼ症候群)、低栄養状態、消化管からの喪失などが考えられます。正しくは:基準範囲内であれば「4.0~5.0g/dL」選びやすい理由:単位(g/dL)に慣れていない場合や、基準範囲の下限値が不明確な場合に誤って選択する可能性があります。混同注意:他の血漿蛋白(例:グロブリン)の基準範囲や、総蛋白の基準範囲と混同する可能性があります。
- 3. 総コレステロール(TC)の基準範囲は通常140~199mg/dL(または~200mg/dL未満)です。345mg/dLは基準範囲を大きく超えており、高コレステロール血症を示します。脂質異常症の診断基準に該当する異常高値です。正しくは:基準範囲内であれば「140~199mg/dL」選びやすい理由:コレステロール値が疾患リスクと関連するという知識はあるものの、具体的な正常範囲を把握していない場合に選んでしまうかもしれません。混同注意:HDLコレステロールやLDLコレステロールの基準範囲、または中性脂肪の基準範囲と混同しやすいです。
- 4. 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の基準範囲は通常20pg/mL未満(施設によって異なるが、一般的に低値が正常とされる)です。350pg/mLは基準範囲を大きく超えており、心不全の診断や重症度評価に用いられる異常高値です。正しくは:基準範囲内であれば「20pg/mL未満」選びやすい理由:BNPが心臓に関連するホルモンであることは知っていても、具体的な基準範囲が不明確な場合や、加齢による正常範囲の上昇を誤解している場合に選びやすいです。混同注意:NT-proBNPなど、他の心臓マーカーの基準値や、診断におけるカットオフ値と混同する可能性があります。
- 5. 正解。ヘモグロビンA1c(HbA1c)のNGSP基準範囲は、一般的に4.6%~6.2%程度です(施設により多少の差はあり)。5.5%はこの基準範囲内に含まれるため、正しい組み合わせです。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:特にありません。正確な基準範囲を理解していれば正しく選択できます。混同注意:糖尿病の診断基準値(HbA1c 6.5%以上)や、合併症予防のための目標値と混同することがあります。
国試ポイント
本問題は、主要な生化学検査項目とその基準範囲を正確に理解しているかを問う問題です。特に、異常値を示す具体的な数値と疾患との関連性を把握しておく必要があります。糖尿病、炎症、腎機能、脂質代謝、心不全など、複数の疾患領域にわたる基本的な検査値の知識が求められます。
混同注意
各検査項目の基準範囲や、同じ名称でも単位が異なる場合(例:血糖値のmg/dLとmmol/L)で混同しやすいです。また、疾患の診断基準値と基準範囲の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合、他の生化学検査項目(例:AST, ALT, γ-GTP, クレアチニン, 尿素窒素, 血糖値など)の基準範囲も確認し、異常値が示す疾患との関連性を判断できるかを確認します。
関連知識
各検査項目の異常値が示す病態生理や、それが関連する疾患について深く理解しておくことが重要です。例えば、CRP高値は炎症、アルブミン低値は肝機能障害や栄養状態の悪化、総コレステロール高値は脂質異常症、BNP高値は心不全を示唆します。HbA1cは糖尿病の診断基準の一つであり、その変化は治療効果の指標となります。