医療現場におけるハラスメントで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ハラスメントにおける「職場」の定義は、労働者が業務を遂行する場所だけでなく、業務との関連性が認められるあらゆる場所や状況を含みます。例えば、社用車内、出張先、業務に関連する会食の場、会社の懇親会などがこれに該当します。選択肢3は「事業所の内部のみに限定される」としているため、この定義に反しており、誤った記述です。他の選択肢はすべてハラスメントに関する正しい知識を述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。ハラスメントに関する法令(労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法など)では、正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員などの非正規雇用の労働者も保護の対象とされています。労働契約の形態に関わらず、全ての労働者がハラスメントの被害から守られるべきという考えに基づいています。正しくは:(記述はすでに正しいので修正不要です)選びやすい理由:「非常勤」という言葉から、正規職員と比べて保護の対象外と誤解されやすいかもしれません。しかし、雇用形態はハラスメントの適用範囲に影響しません。混同注意:労働法における他の権利(例:有給休暇の取得条件など)と混同し、非常勤職員には一部適用外の事項があるという認識から誤りだと判断してしまう可能性があります。
- 2. この記述は正しいです。労働施策総合推進法(パワハラ防止法)や男女雇用機会均等法において、事業主は職場におけるハラスメント防止のために必要な措置を講じることが義務付けられています。これには相談体制の整備や、プライバシー保護、再発防止などが含まれます。正しくは:(記述はすでに正しいので修正不要です)選びやすい理由:「義務」という強い言葉に過敏に反応し、そこまで強制されているのかと疑問に感じ、誤りではないかと考える人がいるかもしれません。混同注意:事業主の「努力義務」と「法的義務」の区別が曖昧な場合、努力義務だと誤解して選択してしまう可能性があります。しかし、ハラスメント対策は法的義務です。
- 3. 正解。この記述は誤っています。ハラスメントに関する「職場」の定義は非常に広範囲に及びます。単に事業所内だけでなく、出張先、取引先の場所、社用車の中、業務で利用する懇親会の場、業務との関連性が認められる会食の場、さらには業務時間外であっても、業務の延長と見なされる場所や状況(例:社内イベント、研修会、従業員間の飲酒を伴う場など)も職場に含まれるとされています。重要なのは、業務遂行の延長と考えられる空間や時間であるかどうかです。
- 4. この記述は正しいです。セクシュアルハラスメントは、同性間でも異性間でも発生し得ます。また、行為者と被害者の双方が男性の場合や女性の場合、あるいは一方または双方が性自認に基づかない性別の場合でも成立します。重要なのは、相手の意に反する性的な言動によって、労働者の就業環境が害されたり、労働条件に不利益が生じたりすることです。正しくは:(記述はすでに正しいので修正不要です)選びやすい理由:セクシュアルハラスメントは異性間の問題という固定観念がある場合、この記述を誤りだと捉えるかもしれません。混同注意:異性間ハラスメントという古い概念や、性的な言動は必ずしも性別の対立軸で語られるという誤解と混同しやすいです。
- 5. この記述は正しいです。パワーハラスメントは、優越的な関係を背景とした言動が問題となるため、必ずしも組織上の上下関係に限りません。部下から上司へのハラスメント(逆パワハラ)は、集団による行為や、専門知識や経験の差を利用した精神的攻撃など、関係性の中で優位に立つ状況がある場合に成立し得ます。正しくは:(記述はすでに正しいので修正不要です)選びやすい理由:パワーハラスメントは「上司から部下へ」という典型的な構図が強く認識されているため、部下からのハラスメントはパワハラではないと誤解しやすいです。混同注意:組織図上の役職のみが優越的な関係の判断基準であるという誤解と混同しやすいです。しかし、優越的な関係には、職務上の地位だけでなく、専門知識、経験、人間関係などの要素も含まれます。
国試ポイント
労働法規におけるハラスメントの基本的な定義、特に「職場」の範囲、対象者、事業主の義務、および各ハラスメントの種類ごとの特徴について正確な知識が問われています。単なる常識ではなく、法律で定められた概念を理解しているかが重要です。
混同注意
「職場」の範囲に関する一般的な認識と、法的に定義された「職場」の広範な解釈が混同されやすいです。また、ハラスメントの行為者と被害者の関係性(上下関係や性別)に関する固定観念も、正確な理解を妨げる要因となります。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題される場合、具体的なハラスメント事例を提示し、それがどのハラスメントに該当するか、あるいはどのような防止策が必要かを問う形式が考えられます。また、事業主が講ずべき具体的な措置の内容(相談窓口の設置、プライバシー保護、再発防止策など)が問われる可能性もあります。
関連知識
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、ハラスメントの定義(3要素)、事業主の措置義務、ハラスメントの種類(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど)