筋と股関節への作用との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
腸腰筋は股関節の屈曲と外旋に作用します。梨状筋は股関節の深層外旋筋の一つですが、股関節の特定の角度(特に伸展位や屈曲60度以上)において外転作用も持ちます。他の選択肢は、示された筋肉と股関節への作用が誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。腸腰筋(大腰筋と腸骨筋の複合)は股関節の強力な屈筋であり、同時に股関節の外旋にも作用します。特に股関節が屈曲位にあるときに外旋作用が強まります。
- 2. 小殿筋は股関節の外転筋であり、内転作用はありません。正しくは:小殿筋:外転選びやすい理由:殿筋群の一部なので、なんとなく股関節の動きに関わることは知っているが、具体的な作用(外転か内転か)を混同しやすいため。混同注意:大殿筋(主に伸展・外旋)、中殿筋(外転)、小殿筋(外転)といった殿筋群それぞれの主作用。
- 3. 正解。梨状筋は股関節の外旋筋としてよく知られていますが、股関節の屈曲位(60度以上)では外転作用も持ちます。また、股関節が伸展位にある際には外転筋としても機能します。広義には外旋筋群の一部として理解されますが、外転作用も重要です。混同注意:梨状筋を純粋な外旋筋とだけ捉えてしまい、外転作用を見落とすことがあります。股関節の角度によって作用が変わる点。
- 4. 大腿方形筋は股関節の強力な外旋筋であり、屈曲作用はありません。正しくは:大腿方形筋:外旋選びやすい理由:股関節深層の小さな筋肉であるため、他の筋の作用と混同しやすい。混同注意:腸腰筋や大腿直筋など、股関節の主要な屈筋との混同。
- 5. 恥骨筋は股関節の強力な内転筋および屈筋です。伸展作用はありません。正しくは:恥骨筋:内転・屈曲選びやすい理由:内転筋群の一部であることは知っていても、細かい作用(屈曲も含むが伸展はない)まで正確に把握していない場合に選びやすい。混同注意:大殿筋やハムストリングスなど、股関節の主要な伸展筋との混同。
国試ポイント
この問題は、股関節の主要な筋肉とその作用(特に複数の作用を持つ筋肉)について正確な知識があるかを問うものです。単一の作用だけでなく、角度によって変化する作用や、補助的な作用まで理解しているかが重要となります。2つ選択させることで、より厳密な知識が求められます。
混同注意
股関節の多くの筋肉は複数の作用を持つため、主作用と副作用、または特定の関節角度での作用の変化を混同しやすいです。特に深層の外旋筋群は、外旋だけでなく外転作用も持つものがあり、注意が必要です。また、殿筋群の各筋の作用(大殿筋、中殿筋、小殿筋)も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、各筋肉の主作用だけでなく、補助的な作用や、関節の角度によって作用が変化する筋肉(例:梨状筋、三角筋など)に注目して検討する。また、2つ選ぶ問題では、より確実な知識と、微妙な判断が必要な選択肢の見極めが重要になるため、曖昧な知識で判断しないように注意する。
関連知識
股関節周囲の主要筋群(屈筋群、伸展筋群、外転筋群、内転筋群、内外旋筋群)それぞれの主作用と副作用。特に、腸腰筋、大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋、大腿方形筋、内転筋群(長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、恥骨筋)などの解剖学と運動学。各筋肉の起始停止も合わせて理解することで、作用を導き出しやすくなります。