脊椎の回旋運動について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
頭板状筋は、頸椎の棘突起から側頭骨の乳様突起にかけて斜めに走行しており、片側が収縮すると頭部を同側に回旋させます。これは、回旋動作に関わる代表的な筋の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 頸椎の回旋可動域は、上位頸椎(特に環椎軸椎関節)で最も大きく、下位頸椎では比較的小さいです。正しくは:下位頸椎と比較して、上位頸椎の方が回旋の可動域は広いです。選びやすい理由:頸椎全体での可動域があるため、一見正しいように見えるかもしれませんが、上位と下位でその程度は異なります。混同注意:頸椎全体の屈曲・伸展、側屈の可動域と混同している可能性があります。
- 2. 胸椎は肋骨と連結しており、胸郭を形成しているため、回旋の可動域は腰椎よりも広いです。腰椎は屈曲・伸展に優れ、回旋は比較的制限されています。正しくは:腰椎と比較して、胸椎の方が回旋の可動域は広いです。選びやすい理由:胸椎が体幹の安定性に寄与していることから、可動性が低いと誤解しやすいです。混同注意:胸椎の安定性と可動性を混同しやすい。また、腰椎の屈曲・伸展の可動域の大きさと回旋の可動域の小ささを混同している可能性があります。
- 3. 片側の胸鎖乳突筋が収縮すると、頭頸部は収縮した側とは反対側(対側)に回旋します。正しくは:胸鎖乳突筋は、首を対側に回旋させる作用があります。選びやすい理由:「胸鎖乳突筋が首を動かす」という事実は正しいため、方向を間違えやすいです。混同注意:多くの頸部筋が同側回旋に働く中で、胸鎖乳突筋は対側回旋に働くため、混同しやすい筋の一つです。
- 4. 正解。頭板状筋(および頸板状筋)は、片側が収縮すると頭部(または頸部)を収縮した側に回旋させる働きがあります。これは、筋の起始と停止、およびその走行から理解できます。
- 5. 中斜角筋は頸椎の屈曲・側屈・挙上に寄与しますが、回旋作用はごく小さいか、同側回旋に働くという見解もあります。主要な対側回旋筋ではありません。正しくは:中斜角筋は、主な回旋作用は持たず、もし回旋に関与するとすれば同側回旋に作用する可能性があります。選びやすい理由:斜角筋群が頸部の深層筋であり、複雑な作用を持つため、回旋方向を誤解しやすいです。混同注意:胸鎖乳突筋のような対側回旋筋と混同したり、主要な頸部回旋筋と誤解している可能性があります。
国試ポイント
脊椎の各部位における回旋可動域の特徴と、主要な頸部・体幹の回旋筋の作用方向(同側回旋か対側回旋か)を正確に理解しているかが問われています。特に、胸鎖乳突筋のような例外的な筋の作用も重要です。
混同注意
頸椎の回旋可動域における上位頸椎と下位頸椎の違い、胸椎と腰椎の回旋可動域の大小関係、そして胸鎖乳突筋の対側回旋作用と他の多くの頸部筋の同側回旋作用の混同がよく見られます。また、筋の起始・停止から作用を正確に導き出す能力も試されます。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、脊椎の各部位ごとの可動域の特徴(特に回旋、屈曲・伸展、側屈の違い)と、体幹および頸部の主要な筋について、起始・停止だけでなく、具体的な作用(特に回旋方向)を正確に判断できるかを確認します。特に、紛らわしい作用を持つ筋に焦点を当てるでしょう。
関連知識
脊柱の可動域は、各椎骨の形態、椎間円板の厚さ、椎間関節の向き、周囲の靭帯や筋によって決定されます。頸椎は全体として自由度が高く、特に環軸関節での回旋が顕著です。胸椎は肋骨と連結することで安定性が増しますが、椎間関節の向きから回旋の可動域が比較的大きいです。腰椎は、椎間関節の矢状面に近い向きのため、屈曲・伸展に強く、回旋は制限されます。主要な回旋筋としては、胸鎖乳突筋(対側回旋)、板状筋群(同側回旋)、多裂筋、回旋筋、内外腹斜筋(複合的に働く)などがあります。