「ビンの蓋閉めと箱づめ」、「コネクター組み立て」、「釣銭計算」、「郵便番号調べ」などの職場の作業に近い課題を実施し、適性能を測定する職業評価で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
マイクロタワー法は、実際の職務に類似した簡単な作業課題を複数実施することで、個人の作業遂行能力、持久力、正確性、学習能力、集中力などを総合的に評価する職業評価バッテリーです。提示された作業課題(ビンの蓋閉め、コネクター組み立て、釣銭計算、郵便番号調べ)は、マイクロタワー法が扱う典型的な作業例に該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. GATBは、9種類の適性(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手の器用さ)を検査する一般的な適性検査であり、実際の作業課題に即した評価ではありません。正しくは:GATBは、広範な職業適性を測定する一般的な紙筆・器具検査です。選びやすい理由:職業評価に関する選択肢であるため、他の一般的な職業適性検査と混同しやすいかもしれません。混同注意:特定の職務に特化した作業評価法と、一般的な適性検査を混同しやすい。
- 2. 場面設定法は、実際の職場や生活環境に近い状況を設定し、その中での個人の行動や適応能力を観察・評価する手法ですが、与えられた具体的な作業課題(ビンの蓋閉め、コネクター組み立てなど)を直接指す評価法ではありません。主に社会性や対人関係、問題解決能力などを評価する際に用いられます。正しくは:場面設定法は、職場での対人関係や行動様式など、より広い範囲での適応能力を評価するために、特定の状況を模倣して観察する手法です。選びやすい理由:「職場の作業に近い課題」という記述から、特定の場面を想定するという点で関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:マイクロタワー法のような具体的な作業課題を用いた評価法と、社会性や行動観察を主眼とする場面設定法を混同しやすい。
- 3. MODAPTSは、作業分析および時間測定の国際標準化された手法であり、作業の動作要素とそれに要する時間を数値化して標準時間を設定するためのものです。職業評価の一環として作業効率を分析する際には用いられますが、個人の適応能力を測る職業評価手法そのものではありません。正しくは:MODAPTSは、作業分析を行い、動作要素とその所要時間から標準時間を算出するための手法です。選びやすい理由:「職場の作業」という言葉から、作業効率や時間測定に関連する選択肢として選んでしまう可能性があります。混同注意:作業の評価手法と、作業分析の手法を混同しやすい。
- 4. ESCROWProfileは、企業の経営状態や財務状況を分析・評価するためのツールであり、個人の職業能力評価とは全く関係がありません。正しくは:ESCROWProfileは、企業評価やM&Aなどの際に用いられる財務・経営分析ツールです。選びやすい理由:全く異なる分野の用語であるため、知識がないと選択肢として除外できない可能性があります。混同注意:職業評価に関する専門用語と、他の分野の専門用語を混同しやすい。
- 5. 正解。マイクロタワー法は、現実の職場で行われる基本的な作業(例:組み立て、包装、仕分け、計算など)を模倣した小型の作業課題を用いて、個人の作業能力、持続力、正確性、学習能力、注意力などを総合的に評価する職業評価手法です。設問に挙げられている「ビンの蓋閉めと箱づめ」「コネクター組み立て」「釣銭計算」「郵便番号調べ」といった内容は、まさにマイクロタワー法で用いられる典型的な課題と一致します。正しくは:この選択肢は正しい記述です。
国試ポイント
職業評価の手法に関する知識、特に具体的な作業内容から適切な評価法を識別できるかが問われています。各評価法の目的と内容を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
GATB(一般的な適性検査)や場面設定法(広範な適応能力観察)と混同されやすいですが、マイクロタワー法はより具体的な職務作業の遂行能力に特化しています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、与えられた具体的な作業課題が『手先の器用さ』や『集中力』、『計算能力』、『作業遂行速度』といった要素を評価するものであれば、マイクロタワー法を第一に検討すべきです。また、他の職業評価法の具体的な内容と適用場面もしっかりと復習し、区別できるようにしましょう。
関連知識
職業評価には、GATBのような一般的な適性検査、作業サンプル法(実際の作業を試行)、場面設定法、職業準備性ピラミッドに基づく評価など多岐にわたります。それぞれの特徴と適用場面を理解しておく必要があります。