総合的な認知症の重症度を評価する尺度はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
CDR(Clinical Dementia Rating)は、認知症の全体的な進行度や重症度を評価するための世界的に標準的な尺度です。記憶、見当識、判断力、地域社会活動、家庭での活動と趣味、介護状況の6つの領域を評価し、認知症の有無から重度までの5段階で客観的に評価します。他の選択肢は、認知機能のスクリーニング、行動・心理症状(BPSD)、またはADLの評価を目的とした尺度であり、認知症全体の重症度を総合的に評価するものではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. NPIは認知症患者によく見られる行動・心理症状(BPSD)の有無とその重症度を評価する尺度であり、認知症自体の全体的な重症度を評価するものではありません。正しくは:認知症における行動・心理症状(BPSD)の評価尺度です。選びやすい理由:認知症に関連する尺度なので選択肢として目につきやすいですが、重症度全体を評価するものではない点が誤りです。混同注意:全体的な重症度評価尺度とBPSD評価尺度を混同しやすいです。
- 2. 正解。CDR(Clinical Dementia Rating)は、認知症の進行度や重症度を全体的に評価するための国際的に広く用いられている尺度です。記憶、見当識、判断力と問題解決、地域社会での活動、家庭での活動と趣味、介護状況の6項目を評価し、0(認知症なし)から3(重度の認知症)の5段階で示します。選びやすい理由:国際的にも広く使われているため、認知症の重症度を測る主要な尺度として正しい認識が必要です。
- 3. HDS-Rは、認知機能のスクリーニング検査であり、主に記憶力、見当識、計算能力などを評価することで認知症の可能性を探るものです。総合的な重症度を詳細に評価する尺度ではありません。正しくは:認知機能のスクリーニング検査です。選びやすい理由:認知症の有無の判別に使われるため、重症度評価尺度と誤解しやすいですが、あくまで簡易的なスクリーニングです。混同注意:認知症のスクリーニングツールと重症度評価ツールを混同しやすいです。
- 4. BEHAVE-ADは、アルツハイマー病患者に特有の精神行動障害(妄想、幻覚、活動障害など)を評価する尺度であり、認知症全体の重症度を測るものではありません。正しくは:アルツハイマー病における行動障害の評価尺度です。選びやすい理由:認知症の一種であるアルツハイマー病の名前が入っているため、全体的な評価尺度と勘違いしやすいです。しかし、評価対象は行動障害に限定されます。混同注意:特定の認知症タイプにおける行動障害評価と、認知症全体の重症度評価を混同しやすいです。
- 5. PSMSは、日常生活活動(ADL)のうち、食事、整容、入浴、着衣、排泄、移動といった基本的な身辺処理能力を評価する尺度です。認知症の重症度を直接的に評価するものではなく、主に身体機能の自立度を測ります。正しくは:基本的な日常生活活動(ADL)の評価尺度です。選びやすい理由:認知症患者のADLは低下するため、認知症と関連が深いと捉えがちですが、重症度を直接評価する尺度ではありません。混同注意:認知症によって影響を受けるADLの評価尺度と、認知症自体の重症度評価尺度を混同しやすいです。
国試ポイント
認知症の評価尺度に関する知識が問われています。特に、スクリーニング、認知機能全般、重症度、行動・心理症状(BPSD)、日常生活活動(ADL)など、それぞれの尺度が何を目的としているのかを正確に理解しているかが重要です。臨床現場で多用される主要な評価尺度は、名称とその目的・評価内容を確実に覚える必要があります。
混同注意
認知機能の簡易スクリーニング尺度(例:MMSE、HDS-R)と、認知症の重症度を包括的に評価する尺度(例:CDR)を混同しやすいです。また、認知症に関連する行動・心理症状(BPSD)やADLの評価尺度も、認知症の重症度を直接評価するものではない点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各尺度の名称と評価対象(例:認知機能スクリーニング、BPSD、ADL、全体的重症度)を結びつける問題、あるいは特定のケーススタディに対して適切な評価尺度を選択する問題が出題される可能性があります。また、各尺度の評価項目やスコアリングについても詳細な知識が問われることも考えられます。
関連知識
MMSE(Mini-Mental State Examination)、ADAS-cog(Alzheimer's Disease Assessment Scale-cognitive subscale)、FAST(Functional Assessment Staging Test)、GDS(Global Deterioration Scale)、CIRS(Cerebral Infarction Rating Scale)など、他の主要な認知症関連評価尺度の目的と内容についても理解を深めておく必要があります。