疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
強迫性障害の治療には、不安を生じさせる状況や対象に意図的に触れさせ(曝露)、強迫行為を行わないようにする方法(反応妨害)が効果的です。これにより、強迫観念によって生じる不安が、強迫行為をしなくても時間とともに低下することを学習し、強迫行動が減少します。
選択肢ごとの解説
- 1. 解離性健忘に対して自律訓練法は主要な治療法ではありません。解離性健忘の治療には精神療法、特に解離症状への働きかけやトラウマ処理が中心となります。正しくは:解離性健忘には精神力動的心理療法や支持的精神療法などが用いられます。自律訓練法はリラクセーション技法であり、不安やストレス関連疾患に用いられます。選びやすい理由:自律訓練法はストレス軽減に役立つため、精神的な問題全般に有効と思われがちですが、解離性健忘の根本治療ではありません。混同注意:自律訓練法が適応となる不安障害や心身症などの疾患。
- 2. 身体化障害に対して系統的脱感作法は主要な治療法ではありません。身体化障害は身体症状が主で、器質的異常が見られない場合に精神的な要因を探る治療が必要です。正しくは:身体化障害には、精神科医と身体科医の連携、認知行動療法、支持的精神療法などが中心となります。系統的脱感作法は恐怖症の治療に用いられます。選びやすい理由:系統的脱感作法は恐怖反応の軽減に有効であるため、身体症状に伴う不安軽減に役立つと誤解されやすいです。混同注意:恐怖症(例:広場恐怖、社交不安症)に対する治療法。
- 3. 正解。強迫性障害の治療法として、曝露反応妨害法は非常に有効であり、第一選択の行動療法です。選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
- 4. PTSD(外傷後ストレス障害)の治療にフラッディングは推奨されません。フラッディングは一気に恐怖刺激に曝露させる手法であり、PTSD患者に適用すると症状を悪化させるリスクが高いです。正しくは:PTSDの治療には、段階的な曝露を伴う持続エクスポージャー法、認知処理療法(CPT)、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)などが推奨されます。選びやすい理由:曝露療法の一種であるため、トラウマ反応の軽減に効果があると思われがちです。しかし、PTSDに対するフラッディングは禁忌とされています。混同注意:特定の恐怖症に対する曝露療法、特に段階的ではない一気曝露法全般。
- 5. 心気障害に対して持続エクスポージャー法は主要な治療法ではありません。持続エクスポージャー法はPTSDの治療でトラウマ記憶や関連状況への曝露を通じて、回避行動を減少させることを目的とします。正しくは:心気障害には、認知行動療法(特に疾病不安への認知再構成)、精神教育、支持的精神療法などが用いられます。持続エクスポージャー法はPTSDの治療に用いられます。選びやすい理由:「エクスポージャー」という言葉から、何らかの不安や恐怖への対抗策として有効であると誤解されやすいです。混同注意:PTSDの治療法である持続エクスポージャー法。
国試ポイント
精神疾患とそれに対する主要な行動療法・認知行動療法の適切な組み合わせを覚えることが重要です。特に、強迫性障害における曝露反応妨害法は国家試験で頻出です。
混同注意
曝露反応妨害法と系統的脱感作法やフラッディングは、いずれも曝露を伴いますが、その目的と手法が異なります。曝露反応妨害法は強迫行為の阻止に焦点を当てますが、系統的脱感作法は段階的な不安の克服、フラッディングは一気に不安への直面を促します。
次に同じ論点が出たら
精神疾患の治療法を問う問題が出題されたら、まずその疾患の病態生理や主要症状を思い出し、それらの症状に直接働きかける治療法がどれであるかを判断します。
関連知識
系統的脱感作法は恐怖症、PTSDには認知処理療法や眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)、気分障害には認知行動療法(CBT)が用いられます。それぞれの疾患に対する標準的な治療法をセットで理解することが必要です。