気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
双極性障害は躁状態と抑うつ状態を繰り返す疾患であり、気分安定薬はこれらの気分エピソードの治療と、特に再発の防止やエピソードの頻度・重症度を減少させる目的で中心的かつ長期的に用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 気分変調症は持続的な軽度うつ状態を特徴とし、気分安定薬は第一選択薬ではありません。SSRIなどの抗うつ薬が主に用いられます。正しくは:気分変調症には主にSSRIなどの抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:気分安定薬と名前が似ているため、気分症状全般に効くと思われがちです。混同注意:大うつ病性障害や双極性障害の軽躁病エピソードと混同しやすいですが、症状の重篤度や持続期間が異なります。
- 2. 血管性うつ病は脳血管病変に起因するうつ病であり、抗うつ薬や基礎疾患の治療が中心となります。気分安定薬は一般的に第一選択ではありません。正しくは:血管性うつ病には主に抗うつ薬や基礎疾患の治療が中心となります。選びやすい理由:うつ病の一種であるため、何らかの薬物療法が必要であることは正しいですが、気分安定薬が特異的に有効とは限りません。混同注意:通常のうつ病と混同しやすいですが、発症機序に脳血管病変の関与がある点が異なります。
- 3. 正解。双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す疾患であり、気分安定薬(例:リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなど)は躁状態およびうつ状態の治療、そして最も重要な再発予防に非常に効果的です。特に躁状態の抑制と再発頻度の減少に不可欠な薬剤です。
- 4. 適応障害は特定のストレス要因に対する反応として生じる精神症状であり、ストレス要因の除去や心理社会的介入(カウンセリングなど)が主な治療です。薬物療法を行う場合でも、症状に応じた対症療法(例:抗不安薬、睡眠薬)であり、気分安定薬の予防的投与は一般的ではありません。正しくは:適応障害には、ストレス要因の除去や心理社会的介入が主な治療となり、薬物療法は対症療法として症状に応じて行われます。選びやすい理由:気分が不安定になる症状を呈することもあるため、気分安定薬が有効に思えるかもしれませんが、病態が異なります。混同注意:他の気分障害や不安障害と混同しやすいですが、特定のストレス要因と発症の明確な関連がある点で異なります。
- 5. 非定型うつ病は大うつ病性障害の一病型であり、気分安定薬は第一選択ではありません。SSRIやMAOIなどが主に用いられます。正しくは:非定型うつ病には、主にSSRIやMAOIなどの抗うつ薬が用いられます。選びやすい理由:「うつ病」という名前に含まれるため、気分安定薬が有効に思えるかもしれませんが、双極性障害とは病態が異なります。混同注意:通常のうつ病と混同しやすいですが、鉛様麻痺や過眠、過食などの非定型的な症状を伴う点が特徴です。
国試ポイント
精神疾患に対する薬物療法の第一選択薬、特に各薬効群がどの疾患に最も有効であるかを理解しているかが問われています。気分安定薬といえば、双極性障害の治療・予防というペアを確実に覚えている必要があります。
混同注意
「気分」という言葉が入る他の精神疾患(気分変調症、うつ病など)と、気分安定薬の適応を混同しやすいですが、双極性障害に最も特異的かつ効果的な薬剤群であることを理解しておくことが重要です。
次に同じ論点が出たら
気分安定薬の主な種類とその副作用、治療薬物モニタリング(TDM)が必要な薬物、妊婦への投与禁忌など、より具体的な薬理学的知識が問われる可能性があります。
関連知識
気分安定薬にはリチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどがあり、それぞれ作用機序や副作用、効果発現までの期間に特徴があります。これらの詳細も合わせて学習しておくと良いでしょう。