我が国の自殺の現状で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
日本の自殺統計に関する最新のデータでは、年齢階級別に見ると50歳代の自殺者数が最も多くなっています。これは、中高年層の健康問題、経済・生活問題、仕事上の問題などが複雑に絡み合っていることが背景にあると考えられます。この問題は、自殺に関する最新の統計データを正確に理解しているかを問うものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 日本の自殺者数は、2003年をピークに減少傾向にあり、近年は横ばい、または微減傾向にあります。一時的に増加した年もありますが、全体としては増加傾向にあるとは言えません。正しくは:自殺者数は減少傾向、または横ばい傾向にあります。選びやすい理由:メディアなどで自殺問題が取り上げられることが多く、増加しているという印象を抱きやすいかもしれません。混同注意:特定の年代や要因に絞った場合の一時的な増加傾向と、全体の長期的な傾向を混同する可能性があります。
- 2. 日本の自殺者数は、例年男性が女性の約2倍と、男性が圧倒的に多い状況が続いています。正しくは:自殺者数は男性が女性よりも多いです。選びやすい理由:特定の精神疾患(例:うつ病)の罹患率で女性が多い場合があるため、自殺者数も女性が多いと考えてしまうかもしれません。混同注意:精神疾患の罹患率と自殺の実行率を混同する可能性があります。
- 3. 自殺の発生は、一般的に年度末や新生活が始まる時期である3月~5月頃(春から初夏にかけて)に増加する傾向が見られます。秋に特に多いというデータはありません。正しくは:自殺の発生は春(特に3月〜5月)に多い傾向があります。選びやすい理由:秋は日照時間の減少や季節性感情障害など、気分に影響を与える要因があるため、自殺が増えると考えてしまうかもしれません。混同注意:季節性感情障害の症状と、自殺企図・実行の時期を混同する可能性があります。
- 4. 正解。警察庁の自殺統計によると、近年、年齢階級別の自殺者数では50歳代が最も多く、次いで40歳代、60歳代と続いています。これは統計データと一致します。
- 5. 日本の自殺の原因・動機として最も多いのは「健康問題」であり、次いで「経済・生活問題」が多いです。家庭問題も重要な要因ですが、最も多いわけではありません。(警察庁の自殺統計に基づく)正しくは:自殺の原因・動機として最も多いのは健康問題です。選びやすい理由:家庭内の問題は深刻なストレス源となるため、最も多い原因だと誤解しやすいです。混同注意:個別事例における重篤な原因と、全体の統計における最多原因を混同する可能性があります。
国試ポイント
自殺に関する現状や統計データ(自殺者数の推移、性別、年齢階級別、原因・動機など)は、公衆衛生や精神保健の重要な知識として、毎年いずれかの形で問われる可能性が高いです。特に「最も多い」「増加傾向」といった表現には注意が必要です。
混同注意
自殺に関する一般認識やメディア報道による印象と、実際の統計データを混同しやすいです。例えば、「若者の自殺が増加している」という印象は強いかもしれませんが、実数では中高年が多いなど、具体的なデータと印象のギャップに注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、単一の「最も多い」だけでなく、「2番目に多い」「増加傾向にある年代」など、より詳細な統計の理解や、自殺対策に関する具体的な施策(ゲートキーパーの役割など)を問われる可能性があります。
関連知識
精神保健福祉法、地域自殺対策推進センター、自殺対策基本法、ゲートキーパー、うつ病、精神疾患の疫学、WHOの自殺統計。これらの関連法規や施策、疾患の知識も合わせて学習すると理解が深まります。