股関節で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
股関節の寛骨臼は、大腿骨頭の安定性を確保するために、前外側に向かって開くように位置しています。これにより、体重を効率的に分散し、広範な可動域を可能にしながらも、関節の脱臼を防ぐ役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 股関節は球関節に分類されます。顆状関節は、一方の骨の凸面がもう一方の骨の凹面(楕円形)に適合する関節で、2軸性運動が可能です(例:膝関節、顎関節)。正しくは:股関節は球関節に分類されます。選びやすい理由:関節の形態に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:顆状関節、蝶番関節、車軸関節、平面関節、鞍関節などの様々な関節分類と混同しやすいです。
- 2. 大腿骨頸部は、その大部分が股関節包の内側に存在します。一部のみが関節包外になります。関節包内骨折と関節包外骨折の分類は、血行障害のリスクと関連するため重要です。正しくは:大腿骨頸部の大部分は関節包内にあります。選びやすい理由:「一部が関節包外」という事実と混同して、全体がそうだと誤解しやすいです。混同注意:大腿骨頸部骨折の分類(関節包内/外)や、そこから派生する血行障害のリスクに関する知識と混同しやすいです。
- 3. 正解。寛骨臼は、大腿骨頭を安定して受け入れるため、身体の中心線に対して前外側を向いています。この向きは、股関節の安定性や可動域に寄与します。寛骨臼前捻角、寛骨臼外側傾斜角といった指標でその向きが評価されます。選びやすい理由:関節の解剖学的向きは細かく、記憶しづらい部分ですが、これは基本的な知識です。
- 4. 寛骨臼は、腸骨、坐骨、恥骨の3つの骨が合わさって形成されます。これらの骨はY字軟骨(成長軟骨)によって連結されており、成人期には完全に融合します。正しくは:寛骨臼は、腸骨、坐骨、恥骨の3つの骨によって形成されます。選びやすい理由:腸骨が最も大きな構成要素であるため、他の骨の寄与を見落としがちです。混同注意:骨盤を構成する各骨の名称や、それぞれの骨が寛骨臼のどの部分を形成しているか(例:腸骨は上部、恥骨は前下部、坐骨は後下部)といった詳細と混同しやすいです。
- 5. 腸骨大腿靭帯は、股関節の最も強靭な靭帯の一つであり、関節包の「前面」を強力に補強しています。特に股関節の過伸展を制限する役割があります。後面を補強するのは坐骨大腿靭帯です。正しくは:腸骨大腿靭帯は、股関節包の前面を補強する主要な靭帯です。選びやすい理由:股関節の主要靭帯であることは正しいので、位置に関する誤りに気づきにくい可能性があります。混同注意:腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯といった股関節周囲の主要靭帯の名称、付着部、および機能(制限する運動方向)と混同しやすいです。
国試ポイント
股関節の解剖学に関する基本的な知識、特にその形態、構成骨、靭帯の位置と機能が問われています。関節の種類、骨の部位と関節包との関係、構成骨、主要な靭帯の付着と役割は頻出項目です。
混同注意
股関節の関節分類(球関節 vs 顆状関節)、大腿骨頸部と関節包の関係、寛骨臼の構成骨、股関節周囲の主要靭帯(腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯)の名称と位置・機能。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、股関節の運動学(どの動きがどの靭帯で制限されるか)、あるいは股関節疾患(変形性股関節症、大腿骨頭壊死など)の病態生理と解剖学的特徴を結びつけた問題が出題される可能性があります。
関連知識
股関節の関節包、靱帯(腸骨大腿靱帯、恥骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯、大腿骨頭靱帯)、関節の種類(球関節)、寛骨臼の形態、大腿骨頭の血行支配。これらの知識は股関節の安定性、可動性、病態生理(例:骨折時の血流障害)を理解する上で不可欠です。