初回の作業療法面接において適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
作業療法の初回面接においては、患者との信頼関係構築が最も重要です。初期段階で作業療法士が一方的に患者の課題を指摘することは、患者の自己開示を抑制し、対人関係を阻害する不適切な行為です。患者のペースに合わせて話を聞き、共感的に理解を示す姿勢が求められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 初回面接では、患者が自身の状況や考えを自由に表現できるよう、オープンクエスチョンから始めることが推奨されます。これにより、患者中心の対話が促されます。正しくは:これは適切な対応です。選びやすい理由:面接の導入として自然な選択肢であるため、これが不適切だと感じる学生は少ないでしょう。混同注意:クローズドクエスチョンとの使い分けや、面接の段階に応じた質問技法の選択。
- 2. 非言語的表現は、患者の感情や真意を理解する上で非常に重要です。言葉だけでは捉えきれない情報を得るために、作業療法士はこれに注意を払うべきです。正しくは:これは適切な対応です。選びやすい理由:一般的なコミュニケーションスキルとして理解されやすいため、不適切とは考えにくいです。混同注意:言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの重要性のバランス。
- 3. 正解。初回面接の初期段階で、作業療法士が一方的に患者の課題を指摘することは、患者との信頼関係構築を妨げる可能性があります。患者自身が課題を認識し、語り出すことを待つ姿勢が重要です。正しくは:患者自身が課題を認識し、語り出すのを促すか、信頼関係が構築されてから協同的に課題を明確にする。選びやすい理由:問題解決型の専門職として、課題を早く特定することに意識が向きやすいですが、初回面接では患者中心の姿勢が優先されます。混同注意:問題点の特定と、その伝え方やタイミングの区別。作業療法士の専門性を示すことと、患者中心の姿勢を混同する。
- 4. 相づちは、患者が安心して話せる環境を作り、傾聴している姿勢を示す上で不可欠なコミュニケーション技術です。これにより、患者は自分の話が受け入れられていると感じます。正しくは:これは適切な対応です。選びやすい理由:基本的な傾聴スキルであるため、不適切とは考えにくいです。混同注意:相づちの多すぎると、話を遮る、または形式的だと捉えられる可能性。
- 5. 患者の名前を確認することは、基本的な礼儀であり、患者の尊厳を守り、誤認を防ぐ上で極めて重要です。また、安全管理の観点からも必須の行為です。正しくは:これは適切な対応です。選びやすい理由:非常に基本的なことであるため、あえてこれが不適切であると考える人は少ないでしょう。混同注意:事務的な確認と、信頼関係構築のためのコミュニケーションの優先順位。
国試ポイント
初回面接における信頼関係構築の重要性、患者中心のアプローチ、および基本的な面接技術(オープンクエスチョン、非言語的コミュニケーションへの注意、傾聴、氏名確認)の理解が問われています。特に、専門家としての役割と患者中心のケアのバランスを問う問題形式です。
混同注意
『課題の明確化』と『課題の指摘』を混同しやすい。課題を特定することは重要だが、その伝え方やタイミングが適切でなければ、患者との関係性を損ねる可能性がある。特に初回面接では、患者が主体的に課題を語り出すのを待つ姿勢が求められる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、初回面接の目的(信頼関係構築、情報収集、オリエンテーション)と、その各目的に対する適切なコミュニケーション技法(傾聴、共感、質問技法、情報提供の方法)の関連性を問う設問に注意する。また、倫理的配慮や安全管理の側面も考慮に入れる必要がある。
関連知識
ラポール形成、傾聴の技法(受容、共感、一致)、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分け、非言語的コミュニケーションの理解、患者中心の医療(クライエント中心療法)。