膝関節屈曲と足関節底屈の両方に作用する筋はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
腓腹筋と足底筋は、ともに大腿骨から起始し、アキレス腱を介して踵骨に停止する二関節筋であるため、膝関節の屈曲と足関節の底屈の両方に作用します。特に腓腹筋は足関節の主要な底屈筋の一つであり、膝関節の屈曲にも補助的に関与します。足底筋は非常に小さく、作用も弱いですが、解剖学的に両関節をまたぐため、同様の機能を持つとされます。
選択肢ごとの解説
- 1. 長趾屈筋は足関節の底屈には作用しますが、膝関節の屈曲には関与しません。主に足趾(第2〜5趾)の屈曲、および足関節の底屈・内反を補助する単関節筋です。正しくは:長趾屈筋は足趾の屈曲と足関節の底屈・内反に作用します。選びやすい理由:足関節の底屈に関与するため、部分的に正しく見えるかもしれません。混同注意:下腿の他の深層屈筋群(後脛骨筋、長母趾屈筋)や、膝関節と足関節の両方に作用する腓腹筋などと混同されることがあります。
- 2. 後脛骨筋は足関節の底屈と内反に作用しますが、膝関節の屈曲には関与しません。下腿深層に位置し、主に足部の安定性とアーチの保持に関わります。正しくは:後脛骨筋は足関節の底屈と内反に作用します。選びやすい理由:足関節の底屈に関与するため、選びたくなるかもしれませんが、膝関節とは無関係です。混同注意:他の足関節底屈筋群(長趾屈筋、長母趾屈筋)や、膝関節に関わる腓腹筋などと混同されることがあります。
- 3. 膝窩筋は膝関節の屈曲と下腿の内旋に作用しますが、足関節の底屈には関与しません。膝関節のロックを外す(unlocked)機能を持つ、膝関節に特化した筋肉です。正しくは:膝窩筋は膝関節の屈曲と下腿の内旋に作用します。選びやすい理由:膝関節の屈曲に関与するため、問題文の前半に合致し、選択肢として魅力的です。混同注意:膝関節の屈筋群(ハムストリングス、腓腹筋)と混同されやすいですが、足関節への作用の有無で区別します。
- 4. 正解。足底筋は大腿骨外側上顆から始まり、アキレス腱の内側縁に合流して踵骨に付着するため、膝関節をまたぎ、足関節もまたぎます。この走行により、膝関節の屈曲と足関節の底屈の両方に微弱ながら作用します。
- 5. 正解。腓腹筋は大腿骨の両側上顆から始まり、アキレス腱を介して踵骨に付着する二関節筋です。このため、膝関節の屈曲(主要な作用ではない)と足関節の底屈(主要な作用)の両方に作用します。
国試ポイント
下肢の筋肉の起始・停止とその作用、特に二関節筋の概念を正確に理解しているかを問う問題です。単関節筋と二関節筋の区別、および主要な筋の役割を把握しておくことが重要です。
混同注意
膝関節の屈筋群(ハムストリングス、膝窩筋)と足関節の底屈筋群(後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋)のそれぞれに属する筋肉が選択肢に含まれており、両方の作用を持つ筋肉を正確に識別する必要があります。特に足底筋は作用が弱いため見落とされがちですが、解剖学的な分類としては二関節筋です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず各選択肢の筋肉が『どの関節をまたぐか(単関節筋か二関節筋か)』を判断し、次にそれぞれの関節に対する『主要な作用』と『補助的な作用』を想起して判断します。特に、足底筋のようなマイナーな筋肉の機能も見落とさない注意が必要です。
関連知識
ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)は膝関節の屈曲に関与しますが、足関節には作用しません。逆に、長趾屈筋や後脛骨筋は足関節に作用しますが膝関節には作用しません。二関節筋の代表例として、腓腹筋の他に大腿直筋(股関節屈曲と膝関節伸展)、ハムストリングスの一部(股関節伸展と膝関節屈曲)などがあります。