評価とその内容の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
GBSスケールは、認知症患者の認知機能障害、情動障害、活動障害といった様々な症状を評価するために開発された尺度であり、設問の組み合わせは正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. COPM(カナダ作業遂行測定)は、クライエント自身が感じる作業遂行上の問題点とその満足度を測定するものであり、特定の運動技能を直接評価するツールではありません。正しくは:COPMは作業遂行度と満足度を自己評価するものです。選びやすい理由:「作業遂行」という言葉から、作業を構成する要素としての「運動技能」と関連付けて考えてしまう可能性があります。混同注意:COPMが対象とするのは、クライエントにとって意味のある作業全般の遂行度と満足度であり、個別具体的な能力(運動技能、認知機能など)の測定ツールとは異なります。
- 2. SF-36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)は、一般的な健康関連QOL(Quality of Life)を評価する質問票であり、介護者の負担度を測定するものではありません。正しくは:SF-36は健康関連QOLを評価するものです。選びやすい理由:「生活の質」という漠然としたイメージから、介護という側面も含むと誤解する可能性があります。混同注意:SF-36は自身の健康状態や日常生活の制約に関する自己評価であり、他者(介護者)の負担を評価するツールではありません。介護負担を評価する尺度としては、Zarit Burden Interview(ZBI)などがあります。
- 3. 意志質問紙(Volitional Questionnaire)は、対象者の環境に対する意志の表現(自発性、関与の度合いなど)を観察に基づいて評価するツールであり、生活満足度を自己報告させるものではありません。正しくは:意志質問紙は環境に対する意志の表出を観察によって評価するものです。選びやすい理由:「意志」という言葉が、意欲や満足度といった内面的な感情と結びつきやすいことから、生活満足度と関連付けてしまう可能性があります。混同注意:意志質問紙は作業行動における意志的な側面を観察で捉えるものであり、主観的な感情である生活満足度とは測定対象が異なります。生活満足度を評価する尺度としては、Life Satisfaction Index(LSI)などがあります。
- 4. 正解。GBSスケール(Gottfries-Bråne-Steen Scale)は、認知症患者の行動・精神症状(認知機能障害、情動障害、活動障害など)を評価するために用いられる尺度です。正しくは:正しい組み合わせです。選びやすい理由:特になし。GBSスケールが認知症の症状評価に用いられることを知っていれば正答できます。混同注意:他の認知症評価スケール(MMSE, HDS-Rなど)が認知機能の中核症状を評価するのに対し、GBSスケールは認知症に伴う周辺症状(BPSD)も包括的に評価する点です。
- 5. 興味チェックリスト(Interest Checklist)は、対象者の過去および現在の興味関心(レクリエーション、自己研鑽、社会的活動など)を把握するためのツールであり、特定の作業の遂行能力や達成度を直接測定するものではありません。正しくは:興味チェックリストは対象者の興味関心を把握するものです。選びやすい理由:「作業」という共通のキーワードから、遂行度を評価するものと誤解する可能性があります。混同注意:興味チェックリストは作業療法の評価における導入段階で対象者の動機付けや作業選択のヒントを得るために用いられますが、実際の作業遂行能力(例えば、身体機能や認知機能が作業にどう影響するか)を評価するものではありません。作業遂行度を評価するツールとしては、COPMやAMPSなどがあります。
国試ポイント
作業療法士国家試験では、主要な評価バッテリーの名称と、それが何を目的として、どのような内容を測定するのかという基本的な知識が問われます。特に、類似する名称や関連する概念を持つ評価ツールとの区別が重要です。
混同注意
各評価ツールの名称と測定内容が混同しやすいです。例えば、COPMとAMPS、MMSEとGBSスケールなど、似たような分野を扱うが測定視点が異なるツールが挙げられます。
次に同じ論点が出たら
この論点について次回出題された場合は、それぞれの評価ツールがどのような理論的背景に基づいて開発され、どのような目的で、誰を対象に、どのような形式で評価を行うのか、さらに詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
認知症の評価ツールとして、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Clinical Dementia Rating(CDR)、神経心理学的検査(NPI)などがあります。それぞれの特徴と測定対象を理解しておくことが重要です。また、ADL評価尺度(FIM、BI)、QOL評価尺度(WHOQOL-26など)、介護負担尺度(ZBI)など、関連する他の評価尺度も併せて学習すると良いでしょう。