SOAPによる作業療法記録で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
SOAP形式は、診療記録において情報の整理と共有を効率的に行うための標準的な枠組みです。S(主観的情報)には患者や家族からの訴え、O(客観的情報)には医療者の観察や測定結果、A(評価と分析)にはSとOに基づいた問題点の分析と解釈、P(計画)には今後の具体的な介入計画を記載します。したがって、SOAPが問題指向型の診療記録であること、およびPがAに基づく具体的な対応計画を記載する項目であるという記述が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。SOAP形式は、患者の問題点を明確にし、それに対する医療者の対応を論理的に記録する「問題指向型医療記録(POMR)」のフレームワークの一部として活用されます。患者中心の質の高いケアを提供するための重要なツールです。
- 2. Sは「Subjective(主観的情報)」の略であり、患者自身や家族が訴えた症状、感情、現在の状態に関する意見など、主観的な内容を記録する項目です。正しくは:S(主観的情報)の欄には、患者本人や家族が話したこと、感じていること、訴えなどを記載します。選びやすい理由:臨床での情報収集には観察も含まれるため、情報源の種類とS/Oの区分が混同されやすいです。混同注意:S(主観的情報)とO(客観的情報)の区別。Sは患者や家族の主観、Oは医療者の客観的な観察や測定結果です。
- 3. Oは「Objective(客観的情報)」の略であり、作業療法士が直接観察、測定、評価した身体所見、機能テストの結果、客観的な行動などを記録する項目です。患者や家族からの主観的情報はSに記載します。正しくは:O(客観的情報)の欄には、作業療法士が客観的に観察、測定、評価した事実を記載します。選びやすい理由:「情報」という広い概念から、患者や家族からの情報もOに含めがちになりますが、その情報の性質(主観か客観か)が重要です。混同注意:S(主観的情報)とO(客観的情報)の区別。Sは患者や家族の主観、Oは医療者の客観的な観察や測定結果です。
- 4. Aは「Assessment(評価と分析)」の略であり、SとOの情報を総合的に分析し、患者の問題点やその原因、治療目標への進捗状況、解釈などを記載する項目です。具体的な治療プログラムや介入計画はPに記載します。正しくは:A(評価と分析)の欄には、SとOの情報に基づいて患者の状態を評価し、問題点や原因、治療目標への進捗状況を分析した内容を記載します。選びやすい理由:A(Assessment)が「評価」であるため、プログラムの「評価」と混同したり、AssessmentとProgramの頭文字を混同したりすることがあります。混同注意:A(評価と分析)とP(計画)の区別。Aは現状の分析と解釈、Pは今後の具体的な介入計画です。
- 5. 正解。Pは「Plan(計画)」の略であり、Aで明らかになった問題点や評価結果を踏まえ、今後の作業療法介入の方針、具体的な治療目標、実施するプログラム、患者への指導内容などを記載する項目です。
国試ポイント
作業療法士国家試験では、SOAP形式の各項目の具体的な記載内容とその区別が頻繁に問われます。特に、SとOの『主観的情報』と『客観的情報』の違い、およびAとPの『評価・分析』と『計画』の違いを理解しているかが重要です。それぞれの項目に何が書かれるべきか、何が書かれないべきかを正確に覚える必要があります。
混同注意
SとOはどちらも情報源が患者であることがありえますが、Sは患者の『主観的な訴え』、Oは作業療法士が『客観的に観察・測定』した事実を指します。また、AとPは『評価・分析』と『計画』という密接な関係にありますが、Aは『現状の解釈』であり、Pは『未来の行動』であるという点が異なります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、『具体的な患者の状態や発言を提示し、それがSOAPのどの項目に記載されるべきか』を問う問題形式が考えられます。また、複数の情報(SとO)からAを導き出す思考プロセスを問う問題も出題されやすいでしょう。
関連知識
POMR(問題指向型医療記録):SOAPはPOMRの構成要素の一つです。SOAPの各項目に記載すべき具体的な内容の例(例:Sに「膝が痛いと訴える」、Oに「膝関節可動域制限、ROM測定結果」など)。