高次脳機能障害で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
高次脳機能障害の原因は若年者では頭部外傷が多い一方、高齢者においては脳血管障害が最も一般的な原因です。この知識は疫学的視点から高次脳機能障害を理解する上で重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 高次脳機能障害では、前頭葉などの損傷により、意欲の低下、感情の不安定さ、脱抑制といった性格や行動の変化が頻繁に生じます。正しくは:性格の変化はしばしば見られる。選びやすい理由:高次脳機能障害というと認知機能(記憶、注意など)に焦点が当たりがちで、性格変化は対象外と感じるかもしれません。混同注意:身体的な障害と混同し、内面的な変化はないと誤解する可能性があります。
- 2. 高次脳機能障害は、記憶障害や注意障害、遂行機能障害など、外見からは分かりにくい内面的な問題が主であり、見た目だけでその存在や程度を判断することは非常に困難です。正しくは:外見からは障害の有無を判断することは難しいことが多い。選びやすい理由:運動麻痺などの身体的障害と混同し、目に見える変化があると考えるかもしれません。混同注意:身体障害や重度の精神疾患のように、外見に明らかな兆候が現れるケースと混同します。
- 3. 高次脳機能障害の症状は、損傷した脳の部位(例:前頭葉、側頭葉、頭頂葉など)や範囲によって大きく異なります。例えば、前頭葉損傷では遂行機能障害や性格変化、側頭葉損傷では記憶障害や失語症などが顕著になります。正しくは:脳の損傷部位によって症状は多様である。選びやすい理由:高次脳機能障害という一括りの診断名から、症状も一定であるかのように錯覚するかもしれません。混同注意:病名が同じであれば症状も同じ、という一般論と混同します。脳の機能局在の知識が不足していると間違えやすいです。
- 4. 一般的に、注意障害は記憶障害と比べて回復しやすい傾向にあると言われています。特に、重度の記憶障害は残存しやすい症状の一つです。ただし、個々の回復には個人差があります。正しくは:記憶障害と比べて注意障害は回復しやすい傾向がある。または、重度の記憶障害は回復しにくいことが多い。選びやすい理由:どちらも高次脳機能障害の中核症状であり、その回復の難易度を混同しやすいです。注意障害も日常生活に大きな影響を与えるため、回復が難しいと思われがちです。混同注意:高次脳機能障害の中核症状の回復難易度に関する正確な知識がないと、直感で判断してしまう可能性があります。
- 5. 正解。高次脳機能障害の原因は多岐にわたりますが、特に60歳以上の高齢者においては、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が主要な原因となることが非常に多いです。
国試ポイント
高次脳機能障害の基本的な特徴、主要な症状、原因疾患、回復の見込み、そして外見からの判断の難しさといった幅広い知識が問われる問題です。特に、年齢層と原因疾患の関連性は頻出です。
混同注意
各症状の回復の見込み(例:注意障害と記憶障害のどちらが回復しやすいか)、症状の外見的な分かりやすさ、脳損傷部位と症状の関連性について、曖昧な理解をしていると誤答しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に高次脳機能障害に関する問題が出題された場合は、症状の多様性、原因疾患、リハビリテーションのアプローチ、社会復帰支援の具体的な内容について確認すると良いでしょう。特に、個別の症状に対する評価法や介入方法が問われる可能性もあります。
関連知識
高次脳機能障害の定義(ICD-10、厚生労働省の定義)。主要な症状:記憶障害、注意障害、遂行機能障害、失語、失行、失認、半側空間無視、病識欠如、感情・行動障害(脱抑制、易怒性、意欲低下など)。主な原因:脳血管障害、頭部外傷、脳炎、低酸素脳症、脳腫瘍など。年齢層による原因疾患の傾向(若年者では頭部外傷、高齢者では脳血管障害が多い)。各症状の回復の見込み(一般的には注意障害や注意集中の回復は比較的見られやすいが、重度の記憶障害や遂行機能障害は残存しやすい傾向がある)。