作業分析の観察による評価について最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
作業分析における観察評価は、観察者の専門知識、経験、スキル、観察技術の熟練度などによって評価の質や結果の解釈が左右されることがあります。これは、観察者が客観的な視点を保ちつつも、無意識のうちに自身の経験や解釈枠組みを適用するためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 評価は客観性を目指すべきであり、個人的な主観のみに基づいて実施することは適切ではない。標準化された評価基準やプロトコルを用いることで、主観性を最小限に抑える努力が必要である。正しくは:評価は、標準化された評価基準や客観的な視点に基づいて実施する。選びやすい理由:評価に全く主観が入らないと考えるのは現実的ではないため、ある程度の主観を許容する誤解から選択しやすい。混同注意:評価者の経験に基づく判断と、根拠のない個人的な主観。
- 2. 正解。観察評価は、観察者の専門知識、経験、熟練度によって評価の質や解釈が影響を受ける可能性があるため、最も適切である。選びやすい理由:観察評価の限界や特性を理解していれば、この選択肢が現実的であると判断しやすい。混同注意:評価が完全に客観的であるという誤解と、評価者の影響を全く受けないという誤解。
- 3. 観察評価を実施する前に認知機能を評価することは重要であるが、必ずしも全ての場合に必須ではない。例えば、身体機能の評価が主である場合など、対象者の状態や評価目的に応じて判断される。正しくは:観察評価を実施する前に、評価目的に応じて対象者の認知機能を評価する。選びやすい理由:認知機能は作業遂行に大きく影響するため、常に重要であると誤解して選びやすい。混同注意:重要な要素であることと、常に必須であること。
- 4. 職業に関連する活動の評価は、可能な限り実際の状況に近い形で行うことが望ましい。模擬的な動作だけでなく、実際の職場環境や実際の道具を使用するなど、より状況に即した評価も重要である。正しくは:職業に関連する活動は、可能な限り実際の状況に近い形で評価する。選びやすい理由:安全面や設備面の制約から模擬的な評価がよく行われるため、常にそうあるべきと誤解しやすい。混同注意:現実的な制約下での評価方法と、理想的な評価方法。
- 5. 対象者が自身の病気をどう認識しているか(病識)を評価することは重要だが、これは主に面接法や質問紙法によって評価される内容であり、対象者の『活動を観察して評価する』という文脈とは異なる。正しくは:対象者が自身の病気をどう認識しているか、その認識度は面接法や質問紙法で評価できる。選びやすい理由:病識の評価がリハビリテーションにおいて重要であるため、活動評価と混同して選択しやすい。混同注意:観察によって評価できる項目と、面接や質問紙によって評価される項目。
国試ポイント
作業分析における観察評価の特性と限界を理解する。
混同注意
観察評価は客観的データ収集を目指しますが、評価者の主観的要素を完全に排除することはできません。これは、測定機器による客観的な数値データとは異なる特性です。
次に同じ論点が出たら
作業分析における観察評価の設問が出た場合、評価者の特性(経験、訓練、主観性)が評価結果に与える影響の有無に注目して判断する。
関連知識
作業分析の手法には、観察法、面接法、質問紙法、課題遂行法などがあり、それぞれに長所と短所がある。観察評価の信頼性や妥当性を高めるためには、評価者間の訓練や評価基準の明確化が重要である。