発症後2時間の脳梗塞病巣を確認するために最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
発症早期の脳梗塞では、細胞性浮腫により水分子の細胞内移動が起こり、細胞外の自由水が減少します。拡散強調像(DWI)はこの水分子の自由な動き(拡散)の制限を捉えるため、発症数分から数時間以内の虚血性病変を最も高感度に検出可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. CTは超急性期の脳梗塞病巣の検出感度が低く、発症から数時間は虚血病変を明確に描出できないことが多い。主に脳出血の除外に用いられる。正しくは:発症2時間の脳梗塞巣の検出には不適切。選びやすい理由:脳卒中急性期にまず行われる検査であるため。混同注意:脳出血の診断や、陳旧性梗塞の検出。
- 2. MRI水強調像(FLAIR)は、急性期の梗塞巣で高信号を呈するが、拡散強調像に比べて描出されるまでに時間がかかる(数時間から24時間後がより明確)。発症2時間では拡散強調像ほどの感度はない。正しくは:発症2時間の脳梗塞巣の検出には拡散強調像がより適切。選びやすい理由:急性期の病変検出に用いられるため。混同注意:急性期の脳浮腫や炎症性病変の検出。
- 3. 正解。細胞性浮腫により水分子の拡散が制限されるため、発症数分から数時間以内の虚血性病変を最も高感度かつ早期に検出できる。選びやすい理由:(正答のため特になし)混同注意:(正答のため特になし)
- 4. MRI脂肪抑制像は、脂肪組織からの信号を抑制することで、脂肪組織に隣接する病変(例:骨髄病変、軟部組織腫瘍)の描出能を高めるが、脳梗塞の早期診断には直接関係しない。正しくは:脂肪抑制は脳梗塞病巣の早期検出には適さない。選びやすい理由:MRIの一つの撮像法であるため、病変検出に役立つと誤解しやすい。混同注意:脂肪組織の病変検出。
- 5. MRI 3D T1強調像は主に解剖学的構造の評価や造影剤を用いた病変の評価に優れるが、超急性期の虚血性変化の検出感度は低い。発症2時間での脳梗塞病巣の確認には適切ではない。正しくは:3D T1強調像は脳梗塞の早期検出には適さない。選びやすい理由:脳の構造を詳細に描出するため、病変も見えると考えやすい。混同注意:脳腫瘍や脳血管奇形などの構造的病変の評価。
国試ポイント
超急性期脳梗塞の検出にはMRI拡散強調像(DWI)が第一選択であることを覚える。
混同注意
CTや他のMRIシーケンスと比較して、超急性期の虚血性変化を捉える感度の違いを理解すること。
次に同じ論点が出たら
「発症早期」「超急性期」「虚血性病変の早期発見」といったキーワードがあれば、MRI拡散強調像(DWI)を選択する。
関連知識
拡散強調像と併せて灌流画像(PWI)を用いることで、ミスマッチ領域(penumbra)を評価し、血栓溶解療法の適応判断に役立てる。CTは出血の除外に有用。