脳卒中患者の身体機能評価に用いられる評価尺度はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
NIHSSは急性期の脳卒中患者の神経学的重症度を多角的に評価するものであり、運動麻痺や感覚、言語など身体機能に直結する項目が含まれます。SIASは脳卒中患者に特化して、運動機能、感覚、バランス、言語など広範な機能障害を評価する包括的なツールです。したがって、この2つが脳卒中患者の身体機能評価に適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. GMFCS(Gross Motor Function Classification System)は、主に脳性麻痺の小児の粗大運動機能分類に用いられる尺度であり、脳卒中患者の評価には適していません。正しくは:脳性麻痺患者の粗大運動機能を分類する尺度です。選びやすい理由:「Gross Motor Function」という言葉から運動機能に関連する評価であることは推測できますが、対象疾患が異なります。混同注意:他の運動機能評価尺度、特に小児を対象としたものと混同しやすいです。
- 2. MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、個人の性格特性や精神病理を評価するための心理検査であり、脳卒中患者の『身体機能』を直接評価するものではありません。正しくは:性格特性や精神病理を評価するための心理検査です。選びやすい理由:脳卒中患者では高次脳機能障害や精神的な問題も生じやすいため、広義の「機能評価」と捉えてしまう可能性があります。混同注意:身体機能評価と精神・心理機能評価の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 3. 正解。NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)は、急性期の脳卒中患者の神経学的重症度を評価するための尺度で、意識レベル、眼球運動、視野、顔面麻痺、運動麻痺、失調、感覚、言語、構音などを評価し、脳卒中による身体機能の障害を包括的に把握できます。そのため、脳卒中患者の身体機能評価に適切です。
- 4. 正解。SIAS(Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中患者の機能障害を詳細に評価するために日本で開発された尺度です。運動機能(麻痺、筋緊張、共同運動など)、感覚機能、バランス機能、言語機能、高次脳機能など、多岐にわたる項目で構成されており、脳卒中患者の身体機能評価に非常に有用です。
- 5. UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)は、パーキンソン病の重症度や進行度を評価するための尺度であり、運動症状だけでなく非運動症状も評価しますが、対象疾患がパーキンソン病であるため、脳卒中患者の評価には不適切です。正しくは:パーキンソン病患者の症状を評価するための尺度です。選びやすい理由:「運動機能」を評価する尺度であるため、脳卒中患者にも応用できると考えてしまう可能性があります。混同注意:他の神経疾患の重症度評価尺度、特に運動障害を伴う疾患の評価尺度と混同しやすいです。
国試ポイント
国家試験では、特定の疾患に対する代表的な評価尺度とその目的、評価項目を問う問題が頻出します。特に、複数の評価尺度の中から、対象疾患や評価したい機能(身体機能、高次脳機能、精神機能など)に合致するものを選ぶ形式が多く見られます。また、「2つ選べ」という形式は、正確な知識をより多く要求されるため、各評価尺度の特徴を深く理解している必要があります。
混同注意
各評価尺度の名称が似ていたり、略語が覚えにくかったりするため、対象疾患や評価内容を混同しやすいです。例えば、脳卒中と他の神経疾患(パーキンソン病、脳性麻痺など)の評価尺度は特に混同されやすい傾向にあります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各評価尺度がどの疾患のどの側面(運動機能、認知機能、心理、ADLなど)を評価するのか、その主要な評価項目は何か、また、急性期、回復期、維持期といった病期によってどの評価尺度がより適しているか、といった点に注目して選択肢を判断する必要があります。
関連知識
脳卒中患者の評価尺度には、ここで挙げたものの他に、運動機能評価としてBrunnstrom回復段階やFugl-Meyer評価、日常生活活動(ADL)評価としてFIM、認知機能評価としてMMSEなど、多岐にわたるものがあります。これらの評価尺度の特性と適用場面を理解することが重要です。