神経性無食欲症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
神経性無食欲症では、重度の低栄養状態が持続することにより、視床下部の機能が低下し、性腺刺激ホルモンの分泌が抑制されます。これにより、女性ではエストロゲンの分泌が減少し、月経周期が乱れて最終的には月経が停止する(無月経)状態となります。これは神経性無食欲症の重要な診断基準の一つであり、体重減少に伴う身体的合併症としてよく知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. 神経性無食欲症では、基礎代謝の低下や低栄養状態により、通常は徐脈(心拍数が遅くなる)を呈することが多いです。頻脈は身体への負担が大きく、消耗状態と矛盾します。正しくは:徐脈になる。選びやすい理由:一般的な病態で発熱などがあれば頻脈になるため、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:他の心血管系の疾患や、発熱を伴う感染症による頻脈と混同しやすいです。
- 2. 正解。神経性無食欲症では、視床下部-下垂体-性腺系の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が減少するため、月経が停止し無月経となります。これは診断基準の一つでもあります。選びやすい理由:これは神経性無食欲症の主要な症状の一つであり、正しい記述です。
- 3. 神経性無食欲症では、低栄養状態が持続することで、全身の体毛(特に軟毛)が増加することがあります。これは「産毛」や「毳毛(ぜいもう)」として知られ、体温維持のために生じると考えられています。恥毛が脱落することは一般的ではありません。正しくは:産毛(毳毛)が増加する。選びやすい理由:脱毛は栄養失調やホルモン異常で起こりうる症状であるため、性毛も含まれると誤解しやすいです。混同注意:全身の脱毛症や、他のホルモン異常による体毛の変化と混同しやすいです。
- 4. 神経性無食欲症では、基礎代謝の低下や皮下脂肪の減少により、体温調節機能が低下し、低体温(体温が平熱より低くなる)を呈することが一般的です。正しくは:体温が低下する(低体温になる)。選びやすい理由:感染症などで体温が上昇する病態と混同し、体調不良=発熱と安易に結びつけてしまう可能性があります。混同注意:発熱を伴う疾患や、甲状腺機能亢進症などによる体温上昇と混ndonしやすいです。
- 5. 神経性無食欲症の患者は、過度な体重減少にもかかわらず、しばしば活動性が亢進していることが特徴です。これは、食事を減らすことへの固執や、運動による体重管理への強迫観念によるものです。ただし、重度の消耗状態では活動性が低下することもありますが、特徴的な症状としては活動亢進が挙げられます。正しくは:活動性が亢進する。選びやすい理由:一般的な病態や消耗状態では活動性が低下すると考えられがちですが、神経性無食欲症では活動亢進が見られることが多いです。混同注意:うつ病などによる活動性低下や、一般的な身体的疲労による活動性低下と混同しやすいです。
国試ポイント
神経性無食欲症の身体的合併症や特徴的な症状に関する知識が問われています。特に、誤解しやすい症状(例:活動性、体温、心拍数)と、診断基準にも含まれる明確な症状(無月経)を区別できるかがポイントです。
混同注意
神経性無食欲症は、身体的な消耗状態であるため、一般的な消耗性疾患の症状(例:活動性低下、頻脈)と混同されがちですが、本疾患に特有の症状(活動亢進、徐脈、無月経、低体温など)を正確に理解しておく必要があります。特に『無月経』は診断基準の一部であるため、確実に覚えておくべきです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、神経性無食欲症の診断基準(特に精神症状と身体症状の両面)や、治療方針の選択肢について問われる可能性が高いです。また、他の摂食障害(過食性神経症など)との鑑別点も重要になります。
関連知識
神経性無食欲症の診断基準(DSM-5またはICD-10/11)、体重減少による身体合併症(骨粗鬆症、電解質異常、貧血など)、精神症状(身体醜形恐怖、摂食への固執、強迫観念など)、治療法(栄養療法、認知行動療法、家族療法など)。