ある患者の心理検査の一部を示す。この検査法はどれか。子供の頃,私は空想の世界に浸っていました。私はよく人からよく自分勝手だと言われていました。家の暮しは窮屈に感じるので、早く独り暮らしをしたいです。私の失敗が多いので、できるだけ思い出したくありません。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
提示された記述は、「子供の頃,私は…」「私はよく人から…」「家の暮らしは…」「私の失敗は…」といった未完成の文章の始まりに対し、被験者が自由に続きを補って完成させています。この形式は、SCT(文章完成テスト)の典型的な実施方法です。SCTは投影法の一種であり、被験者が文章を完成させる過程で無意識的な欲求、感情、葛藤などを表現すると考えられています。
選択肢ごとの解説
- 1. HTPテストは描画法であり、家、木、人物の絵を描くことでパーソナリティや心理状態を把握します。文章を完成させる形式ではありません。正しくは:文章を完成させる形式の検査である。選びやすい理由:心理検査全般の知識があれば選択肢として検討されるかもしれないが、具体的な検査内容が文章完成ではないため誤りと判断できる。混同注意:他の投影法検査と混同する可能性。
- 2. 正解。SCT(文章完成テスト)は、未完成の文章の始まり(提示された「子供の頃、私は…」「私は人から…」など)を与え、被験者がそれを自由に補って完成させることで、その人の欲求、感情、態度、葛藤などを探索する投影法です。提示された記述は、まさにSCTの実施形式に合致しています。
- 3. MMPIは客観的パーソナリティ検査であり、質問紙形式で多数の質問項目(例:「はい」「いいえ」で答える)に回答することで、パーソナリティ特性や精神病理を評価します。文章を自由に補完する形式ではありません。正しくは:文章を完成させる形式の検査である。選びやすい理由:代表的なパーソナリティ検査の一つであり、心理検査の知識がある学生は選択肢として検討しやすい。混同注意:投影法と客観的検査の区別が曖昧な場合。
- 4. P-Fスタディは、欲求不満場面の絵を見て、登場人物の吹き出しに返答を記入することで、欲求不満に対する反応類型を評価する投影法です。未完成の文章を補完する形式ではありません。正しくは:文章を完成させる形式の検査である。選びやすい理由:これも投影法の一つであるため、SCTと混同しやすいかもしれない。混同注意:他の投影法検査、特に描画形式ではないものと混同する可能性。
- 5. ASQは、自閉スペクトラム症のスクリーニング検査であり、発達に関する質問項目に保護者などが回答する形式です。パーソナリティを評価するための文章完成形式の検査ではありません。正しくは:文章を完成させる形式の検査である。選びやすい理由:自閉症関連の知識がある学生は知っている可能性があるが、検査内容が全く異なる。混同注意:スクリーニング検査とパーソナリティ検査の目的・形式の混同。
国試ポイント
この問題は、主要な心理検査法の目的と実施形式に関する基本的な知識を問うものです。特に、投影法における各検査(SCT、HTP、P-Fスタディなど)の具体的な内容や実施方法を正確に理解しているかが鍵となります。客観的検査(MMPIなど)やスクリーニング検査(ASQなど)との違いも区別できる必要があります。
混同注意
投影法(SCT、HTP、P-Fスタディなど)の具体的な実施形式や、客観的パーソナリティ検査(MMPIなど)との違いが曖昧だと混同しやすい。特に、投影法の中での描画法と文章完成法の区別は重要。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各心理検査の「実施形式(何をするか)」「評価対象(何を測るか)」「分類(投影法か、質問紙法かなど)」を正確に把握しているかを確認する。特に、具体的な記述や行動の例が示された際に、それがどの検査に対応するかを判断できる能力が問われるだろう。
関連知識
心理検査の分類(投影法、質問紙法、作業検査法など)、各検査の目的、対象、実施方法、解釈の基本。SCTのバリエーション(例:Rotter Incomplete Sentence Blank)、MMPIの尺度、HTPやP-Fスタディの評価ポイントについても理解を深めることが望ましい。