地域包括ケアシステムで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を継続できるよう、「住まい」を基盤とし、医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制を指します。この五つの構成要素(住まい、医療、介護、介護予防・生活支援、生活支援・福祉サービス)の中でも「住まい」は、他の要素が連携するための土台となる重要な基盤とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 地域包括ケアシステムは、中学校区を目安とした日常生活圏域(おおむね30分圏内)を基本単位としています。これは、住民が生活の中で利用する介護サービスや医療サービス、生活支援サービスが円滑に提供される範囲を想定しているためです。正しくは:地域包括ケアシステムは、日常生活圏域(概ね30分圏内)が基本的な単位として構想されています。選びやすい理由:医療圏という言葉がシステム全体を連想させやすく、地域包括ケアシステムも医療・介護連携の要素が強いため、医療圏と誤解する可能性があります。混同注意:『医療圏』と『日常生活圏域』を混同しやすい。医療圏は医療法に基づき、広域的な医療計画の策定単位ですが、地域包括ケアシステムはより住民に身近な生活圏を単位とします。
- 2. 正解。地域包括ケアシステムの五つの構成要素は、「住まい」「医療」「介護」「介護予防・生活支援」「生活支援・福祉サービス」であり、これらが一体的に提供されることを目指しています。中でも「住まい」は、生活の基盤となる最も重要な要素です。
- 3. 地域包括ケアシステムは、市町村(保険者)が中心となって地域の特性に応じたシステムを構築するものです。国や都道府県は、そのための制度設計や財政支援、広域調整などを担いますが、実際にシステムを構築・運営する主体は市町村です。正しくは:地域包括ケアシステムは、市町村が中心となり地域の特性に応じたシステムを構築します。選びやすい理由:国の制度であるため、国が中心となって構築すると考えがちですが、実運用は地方自治体(市町村)が担います。混同注意:『制度の企画・立案』と『実際の構築・運用主体』を混同しやすい。国は制度の枠組みを作り、市町村が地域の実情に合わせて具体的に運用します。
- 4. ボランティアは「互助」(住民同士の支え合い)や「共助」(地域住民が主体的に参加するサービス)の役割を担います。公助とは、国や地方公共団体による制度に基づいたサービス(医療保険、介護保険、生活保護など)を指し、自助・互助・共助では対応できない場合に適用されます。正しくは:ボランティアには、互助や共助として役割を果たすことが求められています。選びやすい理由:公的なサービスの一環としてボランティアが組み込まれるため、公助の一部と誤解する可能性があります。混同注意:『公助』『共助』『互助』『自助』の概念を混同しやすい。ボランティアは、住民や地域の自発的な活動であり、公的な制度による公助とは区別されます。
- 5. 地域包括ケアシステムは、地域の特性や住民のニーズに応じて柔軟に構築されるべきであり、全国一律の均一なシステムを目指すものではありません。各市町村が地域の状況に合わせて創意工夫することが求められています。正しくは:地域包括ケアシステムは、地域ごとの特性に合わせて柔軟に構築されることが求められています。選びやすい理由:公平性や平等性の観点から、全国どこでも同じレベルのサービスが提供されるべきだと考えがちです。混同注意:『公平性(誰もがサービスを受けられること)』と『均一性(サービスの内容が全く同じであること)』を混同しやすい。公平なアクセスは必要ですが、提供されるサービスの内容や方法は地域の実情に合わせて多様であることが想定されています。
国試ポイント
地域包括ケアシステムの基本的な構成要素、特に「住まい」の重要性とその位置づけについて理解しているかを問う問題です。各要素の定義や、システム全体の目的・主体・基本単位についても正確な知識が求められます。
混同注意
地域包括ケアシステムと関連する類似の概念(地域連携クリティカルパス、地域医療構想など)や、社会保障制度における「自助・互助・共助・公助」の役割分担、システムの単位(医療圏と日常生活圏域)などが混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、地域包括ケアシステムを構成する各要素が具体的にどのような内容を指すのか、またそれぞれの要素がどのように連携して機能するのかについて理解しているかを問う問題が考えられます。例えば、具体的な支援サービスがどの要素に該当するか、といった応用問題です。
関連知識
地域包括ケアシステムの定義と5つの構成要素(住まい、医療、介護、介護予防・生活支援、生活支援・福祉サービス)。基本単位が日常生活圏域であること。構築主体が市町村であること。公助・共助・互助・自助の役割。