疾患や病態とそれに対する福祉用具の組合せで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
関節リウマチでは、手指の関節の炎症や変形により、ドアノブを握ってひねる動作が困難になります。ドアノブレバーは、握る動作を不要にし、腕や肘で操作できるため、関節リウマチ患者の生活動作を大きく支援する福祉用具です。
選択肢ごとの解説
- 1. マウススティックは頸髄損傷などで手の機能が著しく低下している場合に、口で操作することでコンピュータ入力などを行うためのものです。胸髄損傷では一般的に上肢機能は保たれるため、マウススティックの使用は通常不要です。正しくは:頸髄損傷 — マウススティック選びやすい理由:何らかの脊髄損傷で上肢に麻痺がある場合に使うと誤解する可能性がある。混同注意:頸髄損傷と胸髄損傷による上肢機能障害の違い。
- 2. 正解。関節リウマチでは手指の関節変形や疼痛により、ドアノブをひねる動作が困難になることが多いです。ドアノブレバーは、握り動作を必要とせず、肘などで押したり引いたりするだけで開閉できるため、手指への負担を軽減し、ドアの操作を容易にします。
- 3. 半側空間無視は、病巣と反対側の空間にある刺激を認識できない状態です。透明文字盤は、ALSなどで発話が困難な方が、目の動きで文字を指し示すコミュニケーションツールであり、半側空間無視の症状への直接的な対応ではありません。正しくは:ALS(筋萎縮性側索硬化症)— 透明文字盤選びやすい理由:コミュニケーション障害を持つ人への用具として漠然と認識している場合。混同注意:失語症や構音障害など他のコミュニケーション障害への対応と混同。
- 4. 脳卒中片麻痺による歩行障害には、重心の安定性が重要です。L字杖は一般的な杖であり、安定性よりも軽量性や携行性が重視されることが多く、片麻痺の方には通常、より安定性の高いT字杖や多点杖(四点杖など)が推奨されます。正しくは:脳卒中片麻痺 — T字杖または多点杖選びやすい理由:片麻痺患者が杖を使うという点では正しいが、L字杖が必ずしも最適とは限らないため、細かい知識が問われている。混同注意:様々な種類の杖とその適応の区別。
- 5. 皮質性感覚失語は、聴覚的な理解や言葉の理解が困難になる病態であり、発声自体は可能です。人工喉頭は、喉頭を摘出した方が、声を出すために用いる装置です。失語症と人工喉頭は根本的に目的が異なります。正しくは:喉頭摘出後 — 人工喉頭選びやすい理由:失語症がコミュニケーション障害全般と捉えられ、発話が困難な場合に使用すると誤解する可能性がある。混同注意:失語症(言語理解・表出の障害)と構音障害(発話メカニズムの障害)や喉頭摘出後の発声障害との違い。
国試ポイント
各疾患や病態に特有の症状を理解し、その症状を補完・軽減するための適切な福祉用具を選択できるかが問われています。個々の福祉用具の機能と、それがどのような身体機能の障害に対応するのかを正確に把握している必要があります。
混同注意
それぞれの疾患や障害が引き起こす具体的な機能障害と、各福祉用具が対応する機能改善効果を混同しやすい。例えば、コミュニケーション障害全般を「失語」と捉えてしまい、目的の異なる用具を誤って結びつけるようなケースです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず疾患・病態から予測される具体的な生活上の困難を特定し、その困難を最も効率的に解決・軽減できる福祉用具の機能と合致するかを検討する。特に「〜できない」という具体的な機能障害と用具の「〜できる」という効果を照らし合わせる。
関連知識
各疾患(脊髄損傷、関節リウマチ、脳卒中、失語症など)の主要な症状と、それに対応するADL(日常生活動作)における困難点。また、福祉用具の種類(自助具、移動補助具、コミュニケーション補助具など)とその具体的な機能・用途。