小児の知能検査で用いられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
小児の知能検査として国際的に広く用いられているのはWISCシリーズとK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーです。WISC-ⅢはWISCシリーズの旧版ですが、選択肢に含まれるため正答となります。他の選択肢は、運動機能評価(MAS, GMFM)や日常生活活動評価(WeeFIM)であり、知能検査ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. MASは脳卒中後の運動機能(主に上肢・下肢・平衡反応)を評価するための尺度であり、知能検査ではありません。正しくは:運動機能の評価に用いられます。選びやすい理由:様々なリハビリテーションの現場で用いられるため、選択肢として見慣れているかもしれません。混同注意:運動機能評価スケールと知能検査を混同しないように注意が必要です。
- 2. GMFMは脳性麻痺などの小児の粗大運動能力を評価するために設計された検査であり、知能検査ではありません。正しくは:粗大運動機能の評価に用いられます。選びやすい理由:小児の評価に用いられるため、正しい選択肢と誤解する可能性があります。混同注意:小児の機能評価スケール全般と知能検査を混同しやすいです。
- 3. WeeFIMは小児の日常生活活動(ADL)や認知・社会適応能力を評価する尺度であり、知能指数を測定する検査ではありません。正しくは:小児の機能的自立度(ADL)の評価に用いられます。選びやすい理由:認知機能の一部を評価するため、知能検査と混同する可能性があります。また、小児に使用されるため正答と考えやすいです。混同注意:ADL評価と知能検査、あるいは総合的な発達評価と知能検査を混同しやすいです。
- 4. 正解。WISCは代表的な小児向け知能検査であり、言語性IQ、動作性IQ、全検査IQを測定します。WISC-Ⅲはその第三版です。正しくは:知能検査として正しく、広く用いられています。選びやすい理由:小児の知能検査として非常に有名です。混同注意:WISCの様々な版(WISC-IV, WISC-Vなど)があることを知っていると、名称に違和感を覚えるかもしれませんが、WISC-Ⅲも用いられています。
- 5. 正解。K-ABCは認知処理過程と習得度を評価する知能検査であり、特に発達障害のある小児の評価にも有効とされています。正しくは:知能検査として正しく、認知能力や学習能力の評価に用いられます。選びやすい理由:名称が「心理・教育アセスメント」とあり、知能評価に直結することが示唆されています。混同注意:他の発達検査と混同する可能性がありますが、K-ABCは明確に知能(認知処理能力と習得度)の評価を目的としています。
国試ポイント
国家試験では、主要な評価バッテリーの名称と、それが『何の能力』を評価するものであるかを正確に理解しているかが問われます。特に、小児領域では身体機能、ADL、知能、発達、行動など多岐にわたる評価尺度が存在するため、それぞれの目的を明確に区別できる必要があります。
混同注意
小児に対する評価スケールは多種多様であり、名称が似ていたり、一部認知要素を含むものもあるため、それぞれの主たる目的を理解していないと混同しやすいです。例えば、ADL評価尺度が認知機能の項目を含んでいても、それが『知能検査』であるとは限りません。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た際には、選択肢の検査が『何を評価する目的』で作られたものか、特に『知能指数(IQ)』を算出するかどうかという点に注目して判断する。
関連知識
小児の知能検査にはWISCシリーズ(WISC-IV, WISC-Vなど新しい版も)、K-ABCの他に、田中ビネー知能検査V、POMSなどがあります。それぞれ対象年齢や評価の視点が異なります。また、発達検査としてはDQ(発達指数)を算出する新版K式発達検査、遠城寺式乳幼児分析的発達検査などがあり、これらは知能検査とは異なる概念で発達水準を評価します。