脳卒中片麻痺に用いる上肢機能検査のうち、32点満点でプログラム作成のための標準回復プロフィールが用意されているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
MFT(Manual Function Test)は、脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復段階を評価するための検査で、上肢・手指の粗大運動から巧緻運動まで多岐にわたる項目を評価します。合計32点満点で採点され、この点数に基づいて標準的な回復プロフィールが用意されており、治療計画の立案や回復過程のモニタリングに非常に有用です。
選択肢ごとの解説
- 1. MALは、麻痺側上肢の日常生活での使用頻度と使用の質を評価するものです。満点や標準回復プロフィールは設定されていません。正しくは:MALは、脳卒中後の麻痺側上肢の実際的な使用状況を評価する質問紙形式の検査です。回復の段階付けや得点による標準プロフィールは持ちません。選びやすい理由:上肢機能に関する評価法であるため、選択肢として考慮されるかもしれません。混同注意:患者の主観的な活動量を評価するもので、客観的な運動機能や回復段階を測るMFTとは目的が異なります。
- 2. MASは、筋緊張(痙縮)の程度を評価するスケールであり、上肢機能全般の評価ではありません。点数も0〜4の6段階です。正しくは:MASは、特定の関節における他動運動時の抵抗感から筋緊張の亢進(痙縮)の程度を評価するものです。選びやすい理由:脳卒中後の痙縮評価としてよく用いられるため、関連する検査として選ばれやすいかもしれません。混同注意:上肢機能全体の評価ではなく、痙縮という特定の症状の重症度を測るスケールです。
- 3. 正解。MFTは、脳卒中片麻痺患者の上肢機能評価として広く用いられ、上肢・手指の各運動項目を評価し、合計32点満点で採点されます。その得点から回復段階の標準プロフィールが示されており、治療プログラムの立案に役立てられます。
- 4. SIASは、脳卒中後の運動機能、筋緊張、感覚、関節可動域、疼痛、高次脳機能など多岐にわたる項目を評価する包括的な検査です。各項目は0〜5点などで評価されますが、全体で32点満点という形式ではありません。正しくは:SIASは、脳卒中後の障害を多角的に評価する総合的な検査セットで、上肢機能はその一部に含まれますが、全体で32点満点という構成ではありません。選びやすい理由:脳卒中後の機能評価として非常に有名で、上肢機能も含まれるため、関連性から選ばれやすいかもしれません。混同注意:MFTが上肢機能に特化した特定の採点基準と回復プロフィールを持つ一方、SIASはより広範囲な障害を評価するものです。
- 5. STEFは、手先の器用さを評価するテストで、9つの課題で構成されます。各課題は要した時間や成功の有無で採点され、得点は合計80点満点ですが、32点満点ではありません。正しくは:STEFは、9つの課題で構成される手指機能の評価で、合計点数は80点満点です。選びやすい理由:手の機能を評価するテストとして、選択肢に魅力を感じるかもしれません。混同注意:MFTが上肢全体および手指の機能回復段階を評価するのに対し、STEFはより詳細な手指の巧緻性を時間を用いて評価するものです。
国試ポイント
脳卒中後の上肢機能評価に関する知識が問われています。特に、各検査法の目的、評価項目、採点方法、特徴(例:満点、標準回復プロフィール)を正確に理解しているかがポイントです。頻繁に出題される基本的な検査法については、名称だけでなく具体的な内容まで把握しておく必要があります。
混同注意
多くの検査法が上肢機能に関連しているため、それぞれの検査法の具体的な内容、対象、採点方法、特徴(例:満点、用意されているプロフィールなど)を混同しやすいです。特にMAS(筋緊張)やSTEF(手指巧緻性)など、上肢機能の一部分を評価するものと、MFTやSIASのように広範囲を評価するものを区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点について次回出題された場合、MFTの具体的な評価項目や、他の上肢機能検査(FMA、BBTなど)との比較、あるいはこれらの検査結果を用いた臨床推論(例:特定の点数を示し、次の治療方針を問う)が問われる可能性があります。
関連知識
・MFTの評価項目と採点基準 ・Fugl-Meyer Assessment (FMA) の特徴と脳卒中評価における位置づけ ・Box and Block Test (BBT) やPurdue Pegboard Testなど、他の手指巧緻性検査 ・脳卒中後の回復段階(Brunnstrom Recovery Stage)との関連性