中耳について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アブミ骨底は内耳の卵円窓(前庭窓)にはまり込み、中耳と内耳の境界面を形成しています。これにより、鼓膜からの振動が耳小骨を介して内耳のリンパ液に伝えられます。選択肢1の鼓膜に接しているのはツチ骨、選択肢2の耳管動脈は迷路動脈ではなく、選択肢3のアブミ骨筋支配神経は顔面神経、選択肢4の砧骨の短脚ではなく長脚がアブミ骨と関節します。
選択肢ごとの解説
- 1. 砧骨は鼓膜に直接接しているわけではありません。鼓膜に接しているのはツチ骨です。正しくは:ツチ骨は鼓膜に直接触れています。選びやすい理由:中耳の耳小骨が鼓膜と関連することは知られているため、詳細を混同しやすいです。混同注意:ツチ骨と砧骨の役割、および鼓膜との直接的な連結関係。
- 2. 耳管への主要な血液供給は、外頸動脈の枝である中硬膜動脈、上行咽頭動脈、および内頸動脈の翼突管動脈などから来ています。迷路動脈は内耳(蝸牛や前庭)へ血液を供給する動脈です。正しくは:耳管へ血液を供給する動脈は、主に中硬膜動脈、上行咽頭動脈、翼突管動脈などです。選びやすい理由:耳の血管系に関する知識の曖昧さから、迷路動脈が耳全体に関連する動脈だと誤解する可能性があります。混同注意:中耳構造(耳管)と内耳構造(迷路)の血液供給。
- 3. アブミ骨筋を支配するのは顔面神経(第VII脳神経)です。下顎神経は三叉神経(第V脳神経)の枝で、咀嚼筋などを支配します。正しくは:アブミ骨筋を支配する神経は顔面神経です。選びやすい理由:アブミ骨筋が小さい筋肉であるため、支配神経まで正確に覚えていない場合に、他の脳神経と混同しやすいです。混同注意:アブミ骨筋と鼓膜張筋(三叉神経支配)の支配神経、および顔面神経と三叉神経の機能。
- 4. 砧骨の短い方の突起(短脚)は、中耳腔の後壁に固定されています。アブミ骨と関節を形成するのは、砧骨の長い方の突起(長脚)の先端にあるレンズ状突起です。正しくは:砧骨の長い方の突起(長脚)の先端がアブミ骨と関節を形成します。選びやすい理由:耳小骨間の連結は知っていても、砧骨のどの部分がアブミ骨と連結するかの詳細を見落としやすいです。混同注意:砧骨の長脚と短脚の役割、および関節形成部位。
- 5. 正解。アブミ骨底(足板)は、卵円窓とも呼ばれる内耳の前庭窓に固定されており、ツチ骨、砧骨を介して鼓膜からの振動を内耳へ伝達する役割を担っています。これは解剖学的に正しい記述です。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:(正答なので特になし)混同注意:(正答なので特になし)
国試ポイント
中耳の解剖学的構造、特に耳小骨の各部位の名称、機能、隣接する構造との関係、および関連する神経・血管の知識が問われています。詳細な知識と正確な理解が求められます。
混同注意
各耳小骨(ツチ骨、砧骨、アブミ骨)の具体的な部位(例:砧骨の長脚・短脚)とその連結相手、各耳小骨筋の支配神経(鼓膜張筋とアブミ骨筋)、耳管と内耳の血行支配など、細部にわたる知識が混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、中耳だけでなく外耳・内耳を含めた全体の解剖学的構造と機能、特に神経支配や血液供給、隣接構造との関連性について、より詳細な知識が問われる可能性があります。また、これらの構造の異常が引き起こす病態(例:伝音難聴)との関連で問われることも考えられます。
関連知識
中耳の機能(音の伝達)、耳小骨の連鎖、耳管の構造と機能、アブミ骨筋・鼓膜張筋の作用と支配神経、内耳の構造(前庭窓・蝸牛窓など)、聴覚伝導路の基礎。