高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
WAIS-IIIは、言語性IQと言語性検査6項目(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)、動作性IQと動作性検査7項目(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)で構成されます。これらの組み合わせにより、全般的な知能水準や認知特性を評価することが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. BADSは、遂行機能の障害を評価するための検査で、記憶、計画、問題解決能力などを行動観察や課題を通して評価しますが、提示された14項目の検査構成とは異なります。正しくは:BADSは、主に遂行機能(計画性、問題解決、行動の開始・停止など)を評価する検査です。選びやすい理由:高次脳機能障害の評価に用いられるため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:広範な高次脳機能障害評価と混同される可能性があります。
- 2. MMSEは、認知症のスクリーニングに広く用いられる簡便な検査で、見当識、記銘、注意、計算、再生、言語、図形構成といった項目で構成されており、提示された14項目とは異なります。正しくは:MMSEは、簡便な認知機能スクリーニング検査です。選びやすい理由:高次脳機能障害のスクリーニング検査として非常に有名なので、知っている人は選びやすいかもしれません。混同注意:認知機能の全般的なスクリーニング検査と詳細な神経心理学的検査の違いが混同される可能性があります。
- 3. SLTAは、失語症の有無やタイプ、重症度を評価するための検査で、聴理解、話す、読む、書くといった言語機能の様々な側面を詳しく調べますが、提示された14項目の構成とは一致しません。正しくは:SLTAは、主に失語症の評価に特化した検査です。選びやすい理由:言語性検査というキーワードから連想されやすいかもしれませんが、SLTAは失語症に特化しています。混同注意:言語性検査という言葉から、言語機能全般の検査と混同される可能性があります。
- 4. WMS-IIIは、主に記憶機能を詳細に評価するための検査であり、提示された動作性検査や言語性検査の項目とは異なります。記憶検査に特化しています。正しくは:WMS-IIIは、ウェクスラーシリーズの記憶検査です。選びやすい理由:ウェクスラーシリーズの一つなので、WAIS-IIIと名称が似ており、高次脳機能障害の評価に用いられるため、迷うかもしれません。混同注意:ウェクスラーシリーズの知能検査(WAIS)と記憶検査(WMS)の違いが混同される可能性があります。
- 5. 正解。WAIS-IIIは、成人向けの包括的な知能検査であり、ご提示の通り「動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)」と「言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)」の合計14項目から構成され、全般的な知能を評価します。高次脳機能障害の評価の一部としても用いられます。
国試ポイント
高次脳機能障害の評価に用いられる主要な神経心理学的検査の名称と、その主な構成項目、評価対象を正確に理解しているかが問われる問題です。特にWAISシリーズのような代表的な検査については、その構成要素を細かく記憶しておく必要があります。
混同注意
ウェクスラーシリーズにはWAIS(知能検査)の他にWMS(記憶検査)があり、名称が似ているため混同しやすいです。また、他の高次脳機能障害関連検査(BADS、MMSE、SLTAなど)との違いも明確にしておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、次はWAIS-IVの構成項目やWAIS-IIIとの違い、あるいはWMS-III/IVの評価内容や主要な構成項目について問われる可能性が高いです。また、他の高次脳機能障害スクリーニング検査や個別機能検査(TMT、WCSTなど)の詳細な内容も確認しておくべきでしょう。
関連知識
WAIS-IVでは、構成項目や解釈が一部変更されています(言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標)。また、ウェクスラー式知能検査には、成人用WAISの他に、児童用WISC、幼児用WPPSIがあります。