手関節を保持する装具の中で静的装具はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
静的装具は、関節の運動を制限し、特定の肢位を保持することを目的とします。長対立装具は母指対立位を保持し、カックアップ装具は手関節背屈位を保持する代表的な静的装具です。RIC型把持装具は自助具、Thomas型懸垂装具とOppenheimer型装具はそれぞれ肘関節と指の機能を補助する動的装具に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。長対立装具は母指と他の指を対立位に保持することで、手関節の安定化と母指機能の補助を目的とした静的装具です。関節運動を制限し、特定の肢位を保持します。
- 2. RIC型把持装具は、上肢機能が著しく低下した際に食事や筆記などのADLを補助するために用いられる自助具の一種であり、装具(orthosis)としては分類されません。特に活動を補助する機能があり、静的装具とは異なります。正しくは:RIC型把持装具は自助具であり、装具ではありません。選びやすい理由:「装具」という言葉に引きずられやすいですが、自助具と装具は区別されます。混同注意:装具と自助具の区別
- 3. 正解。カックアップ装具は、手関節を背屈位(cock-up位)に保持し、手関節の固定と機能的肢位の維持を目的とした静的装具です。特に橈骨神経麻痺などで手関節のコントロールが困難な場合に用いられます。
- 4. Thomas型懸垂装具は、上腕から前腕を支持し、肘関節を屈曲位で保持する装具であり、重力によって運動を補助するダイナミック装具(動的装具)に分類されます。手関節の静的保持を目的とはしません。正しくは:Thomas型懸垂装具は肘関節を対象とした動的装具です。選びやすい理由:「装具」という言葉だけで判断しがちですが、その機能と対象部位を確認する必要があります。混同注意:静的装具と動的装具の区別、装具の対象部位
- 5. Oppenheimer型装具は、手内在筋や長指伸筋の麻痺がある場合に、MP関節の過伸展を防止し、指の屈曲を補助するバネやゴムを用いた動的装具です。手関節の静的保持を主な目的とはしません。正しくは:Oppenheimer型装具は、指の機能を補助する動的装具です。選びやすい理由:聞いたことがある装具名のため、内容を混同して選びやすい可能性があります。混同注意:静的装具と動的装具の区別
国試ポイント
装具の分類(静的/動的)と、主要な装具の名称、その目的、および対象となる部位や機能障害について問われる。特に代表的な装具の機能的特徴を理解しているかどうかが重要。
混同注意
装具の静的/動的分類、および装具と自助具の区別。各装具の名称と目的・作用が混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず装具の対象となる部位(手関節、肘関節、指など)を特定し、次にその装具が関節運動を『制限・保持』するのか、『補助・駆動』するのかで静的か動的かを判断する。また、自助具との区別も重要。
関連知識
各装具の目的(固定、免荷、矯正、運動補助など)、適応疾患、主要な構成要素、使用上の注意点。特に上肢装具の種類と機能は国家試験で頻出。動的装具には、ゴムやバネ、ロッドなどを使用して関節運動を補助する目的がある。