精神科作業療法の診療報酬制度で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
精神科作業療法は、患者の社会生活能力の向上や地域への再統合を目的とするため、実際の生活に近い多様な環境での実施が推奨されます。屋外での活動は、その目的達成に有効であり、診療報酬制度上も治療計画に基づいた適切な実施場所として認められています。
選択肢ごとの解説
- 1. 精神科作業療法は、通常、集団で実施されることが多く、その場合、1回あたりの所要時間は60分から120分程度とされ、個別の20分単位で算定されるわけではありません。20分/単位は、主に個別に行われる身体機能回復のための作業療法に適用される基準です。正しくは:精神科作業療法は、通常、60分以上の集団療法として実施され、1日1回に限り算定される。選びやすい理由:一般的な作業療法(身体機能系)で「1単位20分」という基準があるため、精神科作業療法にも同じ基準が適用されると誤解しやすい。混同注意:一般的な作業療法(運動器・脳血管疾患等)の診療報酬算定基準と、精神科作業療法の算定基準。
- 2. 正解。精神科作業療法の目的は、社会適応能力の向上や地域生活への復帰を支援することにあり、そのためには実際の生活環境に近い屋外での活動も重要です。診療報酬制度上も、治療計画に基づいて行われる限り、その実施場所は限定されません。
- 3. 精神科作業療法において治療上必須とされる材料費は、原則として診療報酬に含まれており、患者から別途徴収することはできません。ただし、患者が希望して購入する私物や、治療目的外の特別な物品についてはこの限りではありません。正しくは:作業療法に要する材料費は、診療報酬に含まれるか、別途規定がない限り、患者の個人負担とはしない。選びやすい理由:創作活動などで使う材料費は自己負担になるのではないか、と考える人がいるかもしれない。混同注意:治療に必要な材料と、患者の嗜好や個人使用のための物品にかかる費用。
- 4. 「1人の作業療法士が1日75単位まで算定可能」という規定は、主に一般のリハビリテーション(運動器、脳血管疾患等)における診療報酬上の算定上限であり、精神科作業療法における患者担当数の直接的な上限ではありません。精神科作業療法では、集団療法の質を確保するため、1人の作業療法士が担当する集団の規模には適正な上限が設けられています(例:20人程度)。正しくは:1人の作業療法士が担当できる精神科作業療法における患者数は、グループ療法の施設基準等によって定められており、75人ではない。選びやすい理由:他のリハビリテーションの診療報酬規定で「75単位」という数字を目にするため、精神科作業療法にも適用されると誤解しやすい。混同注意:一般的なリハビリテーション科の施設基準におけるセラピストあたりの算定単位数と、精神科作業療法の患者担当数の規定。
- 5. 精神科作業療法を含む全ての治療内容は、個々の患者の診療録に具体的に記載することが義務付けられています。これは、治療の経過、効果、患者の反応を適切に記録し、医療の継続性や法的責任を担保するために不可欠です。正しくは:集団作業療法の実施内容は、個々の患者の診療録に具体的に記載しなければならない。選びやすい理由:グループ全体の活動記録があれば個別の記録は不要だと誤解するかもしれない。混同注意:集団療法全体の活動記録と、個々の患者の診療録に記載すべき内容。
国試ポイント
精神科作業療法の診療報酬制度に関する正確な知識が問われています。特に、一般的な作業療法(身体機能系)との違い、実施場所の柔軟性、材料費の取り扱い、患者担当数、記録義務など、実務に直結する内容が頻出です。
混同注意
精神科作業療法と、運動器疾患や脳血管疾患を対象とした一般的な作業療法の診療報酬算定基準が混同されやすいです。特に、算定単位、担当患者数、実施場所の解釈において注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回出題される際は、精神科デイケアやナイトケア、精神科訪問看護との連携、多職種連携における作業療法士の役割と診療報酬上の位置づけ、あるいは精神科訪問リハビリテーションの規定などが問われる可能性があります。また、精神科病院から地域移行支援サービスへの移行時の作業療法の役割も重要です。
関連知識
精神科作業療法の診療報酬に関する通知文、医療機関における施設基準、リハビリテーション関連の各種ガイドライン。また、精神科リハビリテーションの目的と手段、地域移行支援の概念も関連します。