選択性緘黙児に対する作業療法導入時のコミュニケーションの方法として適切でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
選択性緘黙症は、特定の状況や相手の前で話すことができない発達障害です。そのため、作業療法の導入初期に子どもに直接的な「会話」を求めることは、子どもに大きな不安やプレッシャーを与え、さらに口を閉ざしてしまう原因となります。まずは非言語的な方法(表情、筆談、ジェスチャー、アイコンタクトなど)を用いて、子どもが安心できる環境でゆっくりと関係性を構築していくことが重要です。会話は、信頼関係が十分に築かれ、子どもが自発的に話せるようになるまで慎重に待つべきです。
選択肢ごとの解説
- 1. 選択性緘黙症の子どもは言葉での表現が難しいため、表情を通して感情や意思を伝えることは有効な非言語的コミュニケーション手段です。正しくは:表情は、非言語的なコミュニケーションとして有効です。選びやすい理由:非言語コミュニケーションは一般的に有効なため、誤りとは考えにくい。混同注意:言葉によるコミュニケーションと非言語コミュニケーションの区別。
- 2. 言葉で話すのが難しい選択性緘黙症の子どもにとって、筆談は意思を表現する代替手段として非常に有効です。正しくは:筆談は、言葉での表現が難しい場合に有効な手段です。選びやすい理由:子ども相手に筆談は有効か、と迷うかもしれないが、選択性緘黙の特性を考えれば有効。混同注意:年齢による筆談の適応の有無。
- 3. 正解。選択性緘黙症の子どもは、特定の状況下で話すことができません。そのため、作業療法導入時にいきなり会話を促すことは、子どもに過度なプレッシャーを与え、コミュニケーションをさらに阻害する不適切な方法です。正しくは:会話を避け、子どもが安心できる非言語的なコミュニケーションから始めるべきです。選びやすい理由:一般的なコミュニケーション手段であるため、適切だと誤解しやすい。混同注意:一般的な子どもとのコミュニケーション方法と、選択性緘黙症の特性を考慮したコミュニケーション方法の区別。
- 4. ジェスチャーは、言葉に頼らない非言語的なコミュニケーションであり、選択性緘黙症の子どもが意思疎通を図る上で非常に役立つ方法です。正しくは:ジェスチャーは、非言語的なコミュニケーションとして有効です。選びやすい理由:非言語コミュニケーションは一般的に有効なため、誤りとは考えにくい。混同注意:言葉によるコミュニケーションと非言語コミュニケーションの区別。
- 5. アイコンタクトは非言語コミュニケーションの基本であり、相手への関心を示す重要な手段です。子どもが無理なくできる範囲でアイコンタクトを取ることは、信頼関係の構築に寄与します。正しくは:アイコンタクトは、非言語的なコミュニケーションとして有効です。選びやすい理由:アイコンタクトはプレッシャーになる場合もあるため、適切でないと誤解しやすいが、これは導入時の信頼関係構築に重要な非言語的手段である。混同注意:アイコンタクトの有無と強度の適切性。
国試ポイント
選択性緘黙症の子どもへの作業療法導入時における適切なコミュニケーション方法が問われています。特に、発達障害の特性を理解し、子どもに不必要なストレスを与えない支援のあり方を把握しているかが重要です。非言語的コミュニケーションの重要性と、安易な会話の導入が不適切である点を押さえる必要があります。
混同注意
一般的な子どもへのコミュニケーション方法と、特定の困難(選択性緘黙症)を持つ子どもへの配慮を混同しやすい。非言語的コミュニケーション全般の有効性と、状況に応じたその具体的な適用について混乱する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、「発達障害の特性に応じたコミュニケーション支援」という視点で各選択肢を評価する。特に、対象者の困難を悪化させる可能性のある言動を見抜く能力が問われる。言葉以外の手段の活用が原則となる状況を理解しているか。
関連知識
選択性緘黙症の診断基準、症状、治療・支援方法(段階的暴露法、スモールステップ、非言語的アプローチ)。他の発達障害(自閉スペクトラム症、社交不安症など)との鑑別および共通する支援の考え方。非言語コミュニケーションの基本。作業療法における信頼関係構築の重要性。