てんかん患者が作業療法中に強直間代発作の重積状態を呈したときの対応として最も優先すべきなのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
てんかん重積状態は生命を脅かす緊急事態であり、最も優先すべきは患者の生命維持に関わる呼吸・循環の確保です。特に呼吸停止や気道閉塞は脳への酸素供給を途絶させ、不可逆的なダメージや死に至る可能性があるため、呼吸状態の確認と気道確保が最優先の対応となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 家族への連絡は重要ですが、患者の生命維持に関わる緊急対応の後に行うべきです。正しくは:呼吸確保などの一次救命処置が完了し、患者の安全が確認された後に連絡します。選びやすい理由:緊急時に家族への連絡は必須だと考えるかもしれませんが、まずは目の前の患者の命を守る行動が最優先です。混同注意:緊急連絡先への連絡と、一次救命処置の優先順位を混同しやすいです。
- 2. 正解。てんかん重積状態では、呼吸停止や気道閉塞のリスクが高く、脳への酸素供給が途絶える可能性があります。そのため、呼吸の確認と確保が一次救命処置として最も優先されます。
- 3. 服薬状況の確認は病態把握に役立ちますが、緊急時の呼吸確保よりは優先度が低いです。これは発作後の医師への情報提供時に重要となります。正しくは:呼吸確保などの一次救命処置が完了し、医師の診察時に情報として伝えます。選びやすい理由:てんかん発作の治療には薬が関わるため、原因究明としてすぐに確認したくなるかもしれませんが、これは直接的な救命行為ではありません。混同注意:病歴の確認と、一次救命処置の優先順位を混同しやすいです。
- 4. 発作中の四肢を無理に押さえつけると、骨折や脱臼などの二次的な外傷を引き起こす危険性があります。患者の安全を確保しつつ、発作が治まるのを待つことが基本です。正しくは:周囲の危険な物を取り除き、頭部保護などを行い、患者が安全に発作を終えられるように環境を整えます。選びやすい理由:患者が動き回って怪我をするのを防ぎたいという気持ちから、体を固定しようと考えるかもしれませんが、これは誤った対応です。混同注意:患者の保護と、発作の抑制を混同しやすいです。
- 5. 心電図モニターの装着は、医療スタッフが行う精密なバイタルサイン管理の一部であり、作業療法士が発作の現場で緊急時に最初に行うべき対応ではありません。まずは簡易的な呼吸・循環の確認が優先されます。正しくは:呼吸確保などの一次救命処置が完了し、医療従事者が到着した後、必要に応じて実施されます。選びやすい理由:モニター装着が高度な医療処置だと知りつつも、患者の状態を正確に把握するために重要だと考えてしまうかもしれませんが、これは優先順位が異なります。混同注意:高度な医療行為と、一次救命処置の優先順位を混同しやすいです。
国試ポイント
てんかん発作時の緊急対応における優先順位、特に一次救命処置(ABC:Airway, Breathing, Circulation)の重要性が問われています。作業療法士は、医師や看護師のような高度な医療行為はできませんが、緊急時の適切な初期対応を理解していることが重要です。
混同注意
緊急連絡、詳細な病歴確認、二次的な外傷予防、高度な医療行為と、一次救命処置の優先順位を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
てんかん重積状態だけでなく、アナフィラキシーショック、心停止、脳卒中など、他の緊急性の高い病態における作業療法士の初期対応の優先順位について問われる可能性があります。常に一次救命処置(ABC)が基本であることを押さえておく必要があります。
関連知識
てんかんの種類と発作症状、てんかん重積状態の定義、一次救命処置(BLS)の基本、発作時の観察項目、発作時の環境調整と安全確保。