統合失調症に対する作業療法で、ICFの構成要素の「活動」に分類されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
社会生活技能訓練(SST)は、対人交流や日常生活における具体的な行動スキルを向上させることを目的とした支援であり、これらはICFの「活動」の領域、特に「一般的な課題と要求」「対人相互作用と関係」などに分類されます。活動とは、個人が具体的に行う課題や行為を指すため、SSTはまさにその能力を高めるためのものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 「認知機能の低下」は、ICFの「心身機能」に分類される項目です。思考、記憶、知覚などの精神機能に関連するため。正しくは:認知機能はICFの「心身機能」に分類されます。選びやすい理由:統合失調症の症状として認知機能障害がよく見られるため、選択肢として関連性があると感じやすいですが、ICFの分類を正確に理解する必要があります。混同注意:「心身機能」と「活動」の区別。機能そのものの障害は心身機能、機能を使って行う行為は活動。
- 2. 正解。社会生活技能は、個人が日常生活や社会の中で役割を果たすために必要な具体的な行為や行動の能力を指します。これはICFの「活動」に直接分類される概念です。
- 3. 「思考統合の障害」は、思考プロセス自体の問題であり、ICFの「心身機能」(精神機能)に分類されるべき項目です。正しくは:思考統合はICFの「心身機能」に分類されます。選びやすい理由:統合失調症の中心的な症状の一つであるため、選んでしまいがちですが、これも機能そのものの問題です。混同注意:「心身機能」と「活動」の区別。機能の異常は心身機能、それによって行えない行為は活動。
- 4. 「社会からの隔離」は、個人が置かれている状況や環境、あるいはその結果生じる社会参加の制限を指し、ICFの「参加」または「環境因子」に関連する概念です。活動そのものではありません。正しくは:社会からの隔離はICFの「参加」(参加の制限)または「環境因子」に分類されます。選びやすい理由:統合失調症の患者さんがしばしば経験する状況であるため、関連が深いと思われがちです。しかし、ICFの「活動」は個人が行う具体的な行為能力を指します。混同注意:「活動」と「参加」の区別。活動は個人の行為能力、参加は生活場面への関わりや役割遂行。
- 5. 「生物学的なストレス脆弱性」は、個人の体質や病気の原因・素因に関わるものであり、ICFの「健康状態」や「心身機能」の背景にある要因として捉えられますが、直接「活動」に分類されるものではありません。正しくは:生物学的なストレス脆弱性は、ICFの「健康状態」や「心身機能」の背景にある要因です。選びやすい理由:統合失調症の病態生理学的な側面であり、疾病理解には重要ですが、ICFの分類、特に「活動」の定義とは異なります。混同注意:ICFの「健康状態」や「心身機能」の背景にある要因と「活動」の区別。
国試ポイント
この問題は、ICFの主要な構成要素(心身機能、活動、参加、環境因子、個人因子)の定義と、それらが統合失調症患者の具体的な状況や支援内容とどのように関連するかを正確に理解しているかを問うものです。特に「心身機能」と「活動」、「活動」と「参加」の区別が重要になります。
混同注意
「心身機能」と「活動」、および「活動」と「参加」の概念は混同しやすいです。心身機能は身体や精神の各部位の機能、活動は個人が行う特定の課題や行為、参加は生活・人生場面への関与を指します。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が問われたら、まずICFの「心身機能」「活動」「参加」の基本的な定義を正確に区別できるかを確認します。そして、提示された項目が「個人が行う具体的な行為や課題」を指しているかどうかを判断基準とします。
関連知識
ICF(国際生活機能分類)、統合失調症の症状とリハビリテーション、社会生活技能訓練(SST)の目的と内容。ICFの各構成要素の具体的な分類項目例を学ぶことが有効です。