半側空間無視の評価法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
半側空間無視の評価には、視覚探索、模写、書字、描画など、行動面での無視症状を多角的に捉えることができる行動性無視検査 (BIT) が最も適切です。BITは、従来の鉛筆・紙を用いた神経心理学的検査では捉えにくい、日常生活における無視症状を反映するよう設計されています。
選択肢ごとの解説
- 1. BADSは実行機能障害を評価する検査であり、半側空間無視の評価には直接用いられません。正しくは:BADSは、実行機能(計画立案、問題解決、行動の切り替えなど)を評価するためのツールです。選びやすい理由:高次脳機能障害全般に関わる検査として混同する可能性があります。混同注意:遂行機能障害と半側空間無視は異なる高次脳機能障害であるにも関わらず、広範な認知機能評価ツールとして誤解されることがあります。
- 2. 正解。行動性無視検査 (BIT) は、半側空間無視を評価するために開発された総合的な検査バッテリーです。探索課題や描画課題など、行動面に焦点を当てた複数の下位検査で構成されています。選びやすい理由:この選択肢は直接的に半側空間無視を評価する検査として知られており、正しい選択肢です。
- 3. CATは注意機能全般を評価する検査であり、半側空間無視に特化した評価ではありません。半側空間無視は注意機能障害の一種と関連することもありますが、CAT単体ではその全体像を捉えられません。正しくは:CATは、選択的注意、持続的注意、分配性注意といった注意機能の様々な側面を評価する目的で用いられます。選びやすい理由:半側空間無視と注意機能障害が関連するため、注意機能の評価ツールとして誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:半側空間無視は注意の偏りとして現れることがありますが、注意機能障害と半側空間無視は異なる概念であり、評価ツールも異なります。
- 4. FABは前頭葉機能、特に実行機能や抑制機能、言語流暢性などを簡易的に評価するスクリーニング検査です。半側空間無視の評価には適していません。正しくは:FABは、前頭葉の機能(抽象概念形成、精神的柔軟性、応答の抑制、行動計画など)を簡便に評価するためのツールです。選びやすい理由:高次脳機能障害のスクリーニング検査として広く用いられるため、その名称から何でも評価できると誤解されることがあります。混同注意:前頭葉機能障害と半側空間無視は異なる神経心理学的症候であり、それぞれに対応する評価法も異なります。
- 5. WCSTは概念形成やルールの切り替え、ワーキングメモリといった実行機能、特に認知の柔軟性を評価するための検査です。半側空間無視の評価とは異なります。正しくは:WCSTは、実行機能における認知の柔軟性や概念形成能力、錯誤からの学習能力などを評価する検査です。選びやすい理由:高次脳機能障害の有名な評価法であるため、半側空間無視の評価法として誤って選択される可能性があります。混同注意:WCSTで評価される実行機能と、半側空間無視で評価される空間認知は異なる高次脳機能領域です。
国試ポイント
国家試験では、主要な高次脳機能障害(失語、失行、失認、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、半側空間無視など)とその代表的な評価法を正確に結びつけられるかが問われます。特に、それぞれの評価法がどの機能に特化しているかを理解しておくことが重要です。
混同注意
半側空間無視は注意機能障害と関連が深いため、注意機能全般を評価する検査(例:CAT)と混同しやすいですが、半側空間無視には特異的な評価法が存在します。また、他の高次脳機能障害(実行機能障害など)の評価法と混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、選択肢に挙がった各評価法が具体的にどのような高次脳機能を評価するのか、その主要な特徴と適用疾患を正確に識別できるかを問う問題が出る可能性があります。また、より詳細な下位検査の内容や、検査結果の解釈に関する知識も求められるかもしれません。
関連知識
半側空間無視は主に右半球損傷(特に右下頭頂小葉や前頭葉)で多く見られ、左半側空間への注意の障害とされます。評価にはBITの他に、星印抹消試験、線分二等分試験、模写、描画、Reading testなどが用いられます。近年では、VR技術を用いたより生態学的な評価も研究されています。