検査と評価項目の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
WISC-Ⅳは知能検査であり、主要な指標として「ワーキングメモリー指標」を含んでいます。ワーキングメモリーは、情報を一時的に保持し、操作する能力を指し、WISC-Ⅳの『数唱』や『語音整列』などの下位検査によって評価されます。他の選択肢は、検査の目的や評価項目が正しく対応していません。
選択肢ごとの解説
- 1. GMFMは脳性麻痺児の粗大運動能力を評価するものであり、日常生活活動(ADL)の直接的な評価項目ではありません。ADLはBARTHL指数やFIMなどの異なる評価尺度で測られます。正しくは:GMFMは「粗大運動能力」を評価します。選びやすい理由:運動能力とADLは関連が深いため、混同しやすいかもしれません。混同注意:GMFMは運動能力評価、ADL評価はFIMやBI。
- 2. 正解。WISC-Ⅳは子どもの全般的な認知能力を評価する検査であり、主要な指標の一つとして「ワーキングメモリー指標」が含まれています。これは聴覚的短期記憶や情報処理能力を反映します。選びやすい理由:これは正しい組み合わせです。
- 3. S-M社会生活能力検査は、社会性や適応行動といった『社会生活能力』を評価するための検査です。心理的発達全般を評価するものではありません。心理的発達には、知能や情緒、パーソナリティなどが含まれます。正しくは:S-M社会生活能力検査は「社会生活能力」を評価します。選びやすい理由:社会生活能力も心理的発達の一部と捉えがちですが、S-M検査はより特化した側面を評価します。混同注意:S-M検査は社会生活能力、心理的発達はより広範な概念。
- 4. フロスティグ視知覚検査は、子どもの『視知覚』能力を評価するための検査です。視覚情報を認識し、解釈する能力を測ります。巧緻運動(手の器用さなど)を直接評価するものではありません。正しくは:フロスティグ視知覚検査は「視知覚」を評価します。選びやすい理由:視知覚と巧緻運動は共同して活動に影響を与えるため、関連性が深いと誤解しやすいです。混同注意:フロスティグは視知覚、巧緻運動はDOTやPTD。
- 5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査の評価領域は、移動運動・手の運動・基本的習慣・対人関係・発語・言語理解の6領域であり、「粗大運動」という領域はありません。正しくは:遠城寺式乳幼児分析的発達検査は乳幼児の「発達段階(運動、社会性、適応など)」を総合的に評価します。
国試ポイント
この問題は、主要な検査の名称と、それが評価する主要な項目や能力との組み合わせの知識を問うものです。特に、検査が複数の下位項目を持つ場合、その中の代表的な指標を正確に理解しているかが重要です。各検査の目的と評価領域をしっかり覚える必要があります。
混同注意
各検査の名称と、それに似た響きの評価項目、あるいは関連が深いように見えるが直接の評価項目ではないものとの混同が狙われています。例えば、GMFMとADL、S-Mと心理的発達、フロスティグと巧緻運動など、一見すると関連性がありそうな組み合わせが誤りの選択肢として提示されています。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各検査の正式名称、目的、主な評価項目(特に指標や尺度名)、対象年齢、そして代表的な下位検査の内容まで確認しておくと良いでしょう。また、『〜検査は〇〇を評価する』という形でペアで覚えることが重要です。
関連知識
主要な発達検査(新版K式発達検査、Denver発達スクリーニング検査など)、知能検査(WAIS-III/Ⅳ、KABC-IIなど)、ADL評価(FIM、BI)、高次脳機能評価(MMSE、HDS-Rなど)、感覚統合機能評価、運動機能評価(MMT、ROMなど)といった基本的な検査の目的と評価項目。